子どもの夢の叶え方

第21回 渡辺香代子さん & 浅田祐規子さん(ロンパースベア)

子どもが赤ちゃんのときに着ていたベビー服(ロンパース)。大切に保管している方は多いと思います。私もそのひとり。ありえないくらい小さなGジャンは、捨てることはもちろん、あげることもできずに大切にしまってあります。「ロンパースベア」は、そんな服を使って1体のクマの“ぬいぐるみ” にしてくれるサービス。子どもの1歳の誕生日プレゼントや友人の出産祝い、結婚式での両親へのプレゼントとしても人気が急上昇!そこで、「ロンパースベア」を企画・制作している株式会社エンパシージャパン渡辺香代子さん、浅田祐規子さんのお2人に、「ロンパースベア」に込めた想いなど、お話しを聞いた。(インタビュー:2016年2月25日(木) / TEXT:高木秀明 PHOTO:松嶋愛)
キッズイベント「子どもの夢の叶え方」第21回 渡辺香代子さん & 浅田祐規子さん(ロンパースベア)インタビュー

「ロンパースベア」についてお話を伺った株式会社エンパシージャパン 代表取締役 渡辺香代子さん(写真左)と同社 ロンパースベア事業部 制作・総合監修 浅田祐規子さん(写真右)

小さいときの思い出を目に触れる場所に置くことで、親子の絆がより深まる

ー 「ロンパースベア」は、どのような“ぬいぐるみ” ですか?

株式会社エンパシージャパン 代表取締役 渡辺香代子さん(以下、渡辺さん):赤ちゃんのときに着ていたつなぎのベビー服、日本では「ロンパース」と呼んでいますが、ロンパースを2着お客様から送っていただき、その生地を使ってつくる、高さ約25cm、重さ約120gほどの世界でひとつだけのクマのぬいぐるみのことです。

お子さんが赤ちゃんの頃、毎日着せたり洗ったりした、愛情のたくさんつまった想い出のロンパース。着られなくなっても大切に保管されている方は多いと思いますが、いつも家族の目に触れる場所に置くことで、親子の絆を深めることができるのではないか、「ロンパースベア」を見た瞬間に、お母さん、お父さんは「子どもを大切に育てた」優しい気持ちを、お子さんは「大切に育てられた」温かい気持ちを実感できるのではないかと思って、つくりはじめました。

また1歳のお誕生日ってとても記念すべき日ですが、何をあげたらいいのか悩んでいる方は多いので、“1歳の誕生日には思い出深いロンパースを使ったクマのぬいぐるみ「ロンパースベア」をプレゼントする”、という文化をつくっていきたいな、とも思っています。

■「ロンパースベア」公式サイトはコチラ!

キッズイベント「子どもの夢の叶え方」第21回 渡辺香代子さん & 浅田祐規子さん(ロンパースベア)インタビュー

「ロンパースベア」は2013年11月からスタートしました。お客様の70%が0歳のお子さんをお持ちの方で、1歳のお誕生日へのプレゼントとしてご注文いただいています

ー 何がきっかけで「ロンパースベア」をつくろうと思われたのでしょうか?

渡辺さん:2012年に「エンパシージャパン」という会社を立ち上げたとき、人が社会の中でたくさんの人と関わりながら生きていくなかで、相手を認めたり、認められたり、弊社の社名でもある“エンパシー(共感)” という概念を、どのように社会に浸透させていくことができるかな、と考えていました。

あるとき社会の最小単位って「親子」で、誰もが生まれてきたことを誰かが喜んで、お世話をしてくれて、親やまわりのサポートがあって大きくなっています。それらの象徴的なものが「ロンパース」で、お世話をされ、愛されてきたという自分の原点や存在価値を見失うことなく、さらには継承されていくものをロンパースの生地を使って形にして残すことができないかと考えたときに、生地なので“ぬいぐるみ” がいいかなと思ったんです。

最後の最後で、これ以上ない人との奇跡的な出会い

ー “ぬいぐるみ” づくりは経験があったんですか?

渡辺さん:いいえ。“想い”と“情熱”だけの、まったくの素人でした。最初は布を買ってきて自分で試行錯誤していましたが、近所に手芸が趣味のご夫人がいらっしゃることがわかったので、お願いして第1号をつくってもらいました。そしてこれを商品化するにはどうしたらいいか、最初は世の中に“ぬいぐるみ” はたくさんあるので、この想いに共感してくれる人がいればできないことはないだろうな、と思っていました。

それでネットはもちろん、全国の縫製工場に足を運んで、第1号を見せながらこういう“ぬいぐるみ” をつくりたいと説明してまわりました。復興支援にもなればと東北にも行きました。でも、どこからも良いお返事をいただけませんでしたし、多くの専門家の方と話をしているうちに、1体1体を手づくりでオリジナルをつくるのは無理なんだなという現実を知っていくわけです。

もう本当に無理だと思って、最後に手芸を扱っているサイトの「お仕事募集」のコーナーに投稿したんです。そうしたら、ひとりお返事をくれたのが、今、隣に座っている浅田さんだったんです。

キッズイベント「子どもの夢の叶え方」第21回 渡辺香代子さん & 浅田祐規子さん(ロンパースベア)インタビュー

渡辺さんの強い想いが浅田さんを引き寄せた。奇跡的な出会いをにより「ロンパースベア」は実現した

ー 浅田さんはたまたまその書き込みを目にしたんですか?

株式会社エンパシージャパン ロンパースベア事業部 制作・総合監修 浅田祐規子さん(以下、浅田さん):私はフリーランスで“ぬいぐるみ” を制作する仕事をしていて、そのときちょうど縫子さんを探しに、そのサイトを見ていたんです。そうしたら「お仕事してください」というのがあって、大量生産のぬいぐるみのサンプルをつくってほしいとか、そういうのだったらできるかなと思ってメールを送ったんです。それが出会いですね。

ー まさか1体1体オリジナルでつくるとは思わなかったんですね。

浅田さん:それはもう開けてビックリでした(笑)。

ー 大変というのがわかっていながら、なんでやってみようと思われたんですか。

浅田さん:私はずっと玩具メーカーにいて、ぬいぐるみの企画と制作をする部署にいたのですが、玩具メーカーでも、毎回「オリジナルのぬいぐるみ」という企画は出ていて、やっぱりみんなやりたいんですよね。制作する人たちはつくりたい、でも会社としてはコストが合わないということで却下されてしまう。それがずっと続いているんです。

だからエンパシージャパンという会社が1体1体をオリジナルをつくりたいと声をあげているのを見て、ちょっとやってみたいなと思って。最初に個数を聞いたら100個だったので、それなら正直、利益にならなくても想いは満たされるし、1体1体を手づくりでオリジナルというのはやっぱり魅力があって、やりたい! やろう! と。

ー 100個じゃ収まらなくなっていますが、後悔していませんか(笑)?

浅田さん:(笑)。でも私も渡辺さんの想いと同じで、小さい頃から、辛いことや悲しいことがあっても「自分は大丈夫!」という変な自信があって、それは何でだろうと思うと、すごく愛されてきたという記憶や感覚があるからなんですよね。それを形にしようとしているこのプロジェクトは、やらなくちゃいけないと、なんとか実現したいと進めてきました。

キッズイベント「子どもの夢の叶え方」第21回 渡辺香代子さん & 浅田祐規子さん(ロンパースベア)インタビュー

手づくりで1体1体デザインの異なるぬいぐるみは、ずっとやりたいと思っていたもの。「ロンパースベア」のコンセプトにも共感できるので、「やらなくちゃ」と思ったという浅田さん

ー 浅田さんとはネットで知り合ったわけですが、渡辺さんは、そこには不安はありませんでしたか?

渡辺さん:東京にお住まいと聞いて「すぐに会える!」という想いの方が、不安より強かったですね。今と同じこの場所ではじめてお会いして、ご覧の通り「品のある素敵な方だな」というのが第一印象でしたが、どのような仕事をされるかは話をしただけではわからないですよね。だからやっぱり不安はありましたよね。

でも浅田さんが「たぶんお手伝いできると思います」と言われて、最後にお名刺をくださったんですが、その名刺に今までつくった作品も印刷されていて、そうしたら、あの「しまじろう」が “うわっ!”て出てきて。「えっ! しまじろうをつくっている人!?」って、ものすごい衝撃でした。

浅田さん:私の仕事って名刺だけだとよくわからないので、広げるとパンフレットになっていて、そこに作品を掲載していたんです。

渡辺さん:浅田さんは「しまじろう」を初代からずっとつくっている方だったんです。こんな出会いがあるんだなって、とても不思議に思いました。

キッズイベント「子どもの夢の叶え方」第21回 渡辺香代子さん & 浅田祐規子さん(ロンパースベア)インタビュー

ロンパース2着の生地を使ってつくるロンパースベア。お客様のお子さんへの想いはもちろん、渡辺さん、浅田さんの想いもこもった世界でひとつだけの、一生もののぬいぐるみ

お客様のお洋服がとにかく愛おしい
自分の子どもにつくっているような気持ちで

ー 子どもが生まれたときと同じ身長と体重のクマのぬいぐるみをつくってくれるサービスがあって、私の家にはそのぬいぐるみがいます。新生児と同じ体重なので意外と重くて、小さな子どもが一緒に遊ぶというものではないのですが、ロンパースベアならいつも一緒にいられそうですね。

渡辺さん:常に一緒にいる、一生もののぬいぐるみになって欲しいなと思っています。おじいちゃん、おばあちゃんになっても、「実はこの服、赤ちゃんのときに着てたんだよ」という話が孫にできる、その人のストーリーがぬいぐるみに詰まっていくような、ある意味、“文化事業”をしたいなと思っています。

だからお客様のオーダーは極力叶えてあげたくて、仕事だからここまでしかできないではなく、親心のような気持ちも感じさせてもらっています。お客様の99%以上の方が大満足という結果をいただけていることからも、そういう部分はお客様に伝わっているのかなと思っています。

浅田さん:玩具メーカーにはお客様の評価ってあまり返ってこないんです。返ってきても要望やクレームが多くて‥‥。

今、ロンパースベアは、私と同じ玩具メーカーを退職した、すごい技術を持っている方々に声をかけて一緒につくっています。お客様から届いた生地を私がある程度デザインをして、ここにこの生地を使ってほしいと伝えるのですが、「ここはもっとこうした方が可愛くなるよ」とか、みんな少しでも良くしようと考えています。送っていただくロンパースが、お客様のお洋服なんですけど、とにかく愛おしいんですよね。お母さんになっている方も多いので、お客様の気持ちがよくわかるというのと、メーカーでは得られなかった、お客様からの声が嬉しいんです。

渡辺さん:みんな自分の子どもにつくっているような感覚なんです。ロンパースベアはまだまだとても小さなプロジェクトですが、“社会全体で子どもたちを育てる”というコンセプトもあって、チームにはそれがちゃんと伝わっていて、その想いもロンパースベアに託しています。ロンパースベアを通して、その想いも社会に広がるといいなと思っています。

■ 次ページは、想い出のロンパースベア。そして「ロンパースベア」に込めた想い!

キッズイベント「子どもの夢の叶え方」第21回 渡辺香代子さん & 浅田祐規子さん(ロンパースベア)インタビューロンパースベア

想い出のベビー服(ロンパース)を使ってつくる世界でたったひとつのぬいぐるみです。常に身近に置いておくことで、「ロンパースベア」をふと見た瞬間、お母さん、お父さんは“お子さんを大切に育てた優しい気持ち”を、お子さんにとっては“大切に育てられた温かい気持ち”を実感できる、親子にとって大切な絆を深める、そんなコンセプトでおつくりしています。

ロンパースベアは、実際にお子さんが着ていたベビー服を使って一点一点ていねいに手づくりしています。大人になってもずっと一緒にいられるプレゼントとして、記念すべき1歳の誕生日プレゼントや出産祝いに選ばれています。

■「ロンパースベア」公式サイトはコチラ!

キッズイベント「子どもの夢の叶え方」第21回 渡辺香代子さん & 浅田祐規子さん(ロンパースベア)インタビュー渡辺香代子(わたなべ かよこ)

株式会社エンパシージャパン 代表取締役。短大卒業後、大手広告代理店、マーケティング会社、放送局勤務を経て、海外翻訳書籍を中心とした出版社で広報・PR部門を担当。「ホーキング未来を語る」「きみに読む物語」「サティスファクション」などを手がけ、ぞれぞれ30万部以上を売り上げる大ヒット作に導く。2003年独立。広報・PR会社を立ち上げ、周囲を巻き込む独特な手腕と、丁寧なコミュニケーションで数々のクライアントを担当。2012年、株式会社エンパシージャパンを設立し、以前から温めていた「ロンパースベア」の企画に着手。現在、「企業のCSR活動支援事業」や「算数オリンピック団体戦」など、多数の事業も進行中。

キッズイベント「子どもの夢の叶え方」第21回 渡辺香代子さん & 浅田祐規子さん(ロンパースベア)インタビュー浅田祐規子(あさだ ゆきこ)

株式会社エンパシージャパン ロンパースベア事業部 制作・総合監修。アトリエ浅田 主宰。玩具メーカーに勤務後、1997年独立。ぬいぐるみの企画、制作、開発、生産までの一連を行えるアトリエ事務所を立ち上げる。各企業のキャラクターから個人のオーダー品までクライアントに寄り添って妥協なく作品に反映することを目指す。手がけた主な商品に株式会社ベネッセコーポレーション こどもちゃれんじの「しまじろう」ハンドパペットの初代からの開発、制作。エデュトイシリーズの制作。偕成社「あかちゃんのあそびえほん」きむらゆういち先生のオリジナルパペットシリーズ等他多数。2013年、株式会社エンパシージャパン代表 渡辺との出会いにより、ロンパースべア・プロジェクトに参画。

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