探索と発見の「チームラボボーダレス」、圧倒的没入空間「チームラボ プラネッツ」がオープン!

チームラボ代表 猪子寿之さんインタビュー!

チームラボは2018年6月21日(木)、お台場パレットタウンにデジタルアートミュージアム「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス」を、2018年7月7日(土)には新豊洲に「チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com」をオープン。それぞれのコンセプトや違いについて、チームラボ代表の猪子寿之さんにお伺いしました。(インタビュー:2018年7月7日(土)/ TEXT:キッズイベント 高木秀明)
チームラボは2018年6月21日(木)お台場にデジタルアートミュージアム「チームラボボーダレス」を、2018年7月7日(土)には新豊洲に「チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com」をオープン!それぞれのコンセプトや違いついてチームラボ代表の猪子寿之さんにお伺いしました。

「チームラボボーダレス」「チームラボ プラネッツ」についてお話を伺った、チームラボ代表 猪子寿之さん

自分と世界との境界がなくなる
世界との一体感を感じてほしい

ー「チームラボボーダレス」と「チームラボ プラネッツ」、それぞれのコンセプトは?

森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス(以下、チームラボボーダレス)」は、60ほどある作品が移動し、影響しあい、混ざりあいながら境界のない形でつながっているひとつの世界です。そのなかを人々は、自分の意思のある身体で探索します。アート作品は時間とともに移ろい、変化するので、ゆっくりと変わっていく世界を探索し、そこでいろいろなことを発見していくというのがコンセプトですね。

チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com(以下、チームラボ プラネッツ)」は、他者とともに体ごとひとつのアート作品、アート空間に圧倒的に没入することでアートと一体となり、それを通して自分と他者、世界との境界みたいなものを考え直すということにつながったらいいなと思っています。

 Team Lab opened "Team Labo Borderless" Digital Art Museum on Odaiba on June 21, 2018, "Team Labo Planets TOKYO DMM.com" at Shin Toyosu on Saturday, July 7, 2018 ! I asked Mr. Inoko Toshiyuki, a team lab representative, about each concept and difference.

「チームラボボーダレス」の「人々のための岩に憑依する滝」。作品の上に立ったり作品に触れると、水の流れが変化する。作品は人々の動きや他の作品の影響を受けながら変容し続け、同じ絵は2度と見ることができない

チームラボは2018年6月21日(木)お台場にデジタルアートミュージアム「チームラボボーダレス」を、2018年7月7日(土)には新豊洲に「チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com」をオープン!それぞれのコンセプトや違いついてチームラボ代表の猪子寿之さんにお伺いしました。

「チームラボ プラネッツ」の「Floating in the Falling Universe of Flowers」。自分のまわり360度すべてに映像が映し出され作品に包まれる、作品との一体感をもっとも感じられる作品

ー いずれも “境界” はひとつのテーマですが、境界をなくしたその先はどんな世界ですか?

本来、世界というものには境界がないんです。地球と宇宙は別のものだけど、そこに境界線はないですよね。でも、我々はあると勘違いしている。「じゃあ、どこに?」と聞いても、誰もわからないですよね。

我々は毎日、数えきれないくらいの命を食べて生きていますが、その命は境界のない世界の、我々のコントロールできない、完全には理解しきれていない生態系のなかで生まれた命で、それを食べて生きている。だから我々は世界から独立した瞬間に死んでしまう存在なんです。我々も世界の一部なんです。

でもそれは都市にいると、たとえばお菓子を食べているとして、それが命の塊ということは忘れています。工場でできるものと思っているし、人間の力だけでできあがると勘違いしている。でもそんなものはこの世にひとつもなくて、我々の理解を超越して存在している生態系のなかで、我々は生かされているんだけど、でも、そんなふうには絶対に思わない。お菓子は工場を建てた人間の力でできると思ってしまっているんです。

ー「チームラボボーダレス」や「チームラボ プラネッツ」の体験で、そこまで行き着くのは難しそうですね。

それは行き着かないかもしれないけど、境界のない感覚、たとえば森の中に埋没していると、自分が世界の一部であるかのような感覚をほんの少し感じられる瞬間があったりして、そういう、自分と世界との境界がなくなるような瞬間を、ほんの一瞬でも感じてもらえたらと思っています。

脳を発達させて知的好奇心を養えば
人は勝手に賢くなっていく

ー 子どもと行くにはどちらがおすすめですか?「チームラボボーダレス」には「学ぶ! 未来の遊園地」と「チームラボアスレチックス:運動の森(以下、運動の森)」もあります。

どっちでも、親が行きたい方でいいと思うけど(笑)、「運動の森」は、すごく意図的に、具体的につくりました。複雑で立体的な空間を自分の体を使って探索することが、空間を認識する脳のなかの海馬を大きく成長させるということがわかっていて、ネズミの実験では、立体的な空間にいるのと平面にいるのとでは海馬の神経細胞の数に4万倍の差があり、体積は15%違うとも言われています。

人間の子どもも、自分の体で複雑な空間を探索すると海馬が発達し、それはある種の先天的なものよりも、はるかに影響が大きいと言われています。そういう研究論文がたくさん出て行きています。一方で、外で探索する機会はすごい勢いで減っている。自然の川や森、山、これらはすべて立体の塊だけど、それを自分の体で探索する機会というものが極めて少なくなっていて、そうすると、アホばっかりになっちゃう(笑)。

 Team Lab opened "Team Labo Borderless" Digital Art Museum on Odaiba on June 21, 2018, "Team Labo Planets TOKYO DMM.com" at Shin Toyosu on Saturday, July 7, 2018 ! I asked Mr. Inoko Toshiyuki, a team lab representative, about each concept and difference.

「チームラボボーダレス お台場」内にある、脳の海馬を成長させ、空間認識能力を鍛える新しい創造的運動空間「チームラボアスレチックス:運動の森」

ー 子どもたちの脳にいい「運動の森」を全国に展開したり、もしくは、こういう施設を増やそうという呼びかけでもあるのでしょうか?

なんも考えてない(笑)。でも都市には電車やバス、クルマと、自分の体で探索する機会がないでしょ。平面しかない。どこに行っても変わらない。だから探索できるような立体的な空間で、体を動かして、空間を把握するような場所が都市にもあった方がいいなと思った。

日本は子どもたちにいっぱい詰め込んでいるけど、そういう勉強をすれば賢くなるわけでもなく、日本は世界でいうと教育水準は低い。フィンランドなんかは教育水準が高いとされていて、できるだけ子どもは外で遊んだ方がいいという考えが根付いている。結局、アホにいくら詰め込んでもダメで、脳が発達し、知的好奇心があれば、人は勝手に賢くなっていくんですよ。その方が、子どもたちにとっても、社会にとっても、きっと、もっともっといいと思う。

机に縛り付けて詰め込んでも、脳はどんどんバカになっていく。ネズミでいうと平たいところのネズミになっていく。だから脳そのものを成長させて、知的好奇心を育ててあげた方が結果的に賢くなる。詰め込むことじゃなくて、「運動の森」のようなところを探索し、立体的な世界を認識することで脳を成長させてもらえたらいいなと思っています。

大人になって自分らしく生きていくためにも、子どもの頃に体を使って立体的なところで遊ぶこと、体を使って世界を把握していくことは極めて大事だと思う。だから小さい子は親と来てほしい。いまの都市は見渡す限り平面で、複雑で立体的な空間ってなくなっちゃったから。

チームラボは2018年6月21日(木)お台場にデジタルアートミュージアム「チームラボボーダレス」を、2018年7月7日(土)には新豊洲に「チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com」をオープン!それぞれのコンセプトや違いついてチームラボ代表の猪子寿之さんにお伺いしました。

「チームラボアスレチックス:運動の森」の「グラフィティネイチャー 山山と深い谷」。高低差のある斜面で創られた立体的な大空間に、みんなが描いたさまざまな生きものたちが生息する世界

古い知識を詰め込んでも意味はない
疑問を見つけ答えを発見する楽しみを

ー「チームラボボーダレス」「チームラボ プラネッツ」を体験した子どものなかには、将来、猪子さんと働きたいという子が出てくるかもしれません。そういう子は、いま何をしたらいいですか?

チームラボで働くということは置いておいて、多くの人が言っているけど、30年後には、いまある職業はほとんどなくなっている。時代がすごく変化している。だから固定的な止まった知識を詰め込んだところで、変化した先では通用しない。自分で世界を瞬間、瞬間で捉えていかなければならないんだから、脳そのものを成長させて、自分で疑問を見つけて、自分で答えを発見するというのは楽しいことなんだという知的好奇心を養ってあげた方がいいよね。

だって数学者があふれた古代ギリシア時代は、働かなくてもいい人たちが知的好奇心で数学をやってた。楽しいから。数学をエンターテインメントとしてやっていて、それで幾何学とかが生まれる。だから自分で探索して発見するのは、本来極めて楽しいことで、そういうことが “楽しい” ということを知ること。そうすれば人は、どんどん勝手に時代にあわせて賢くなるし、そういう人は時代にあわせて必要なことを発見して身に付けていく。世の中はすごい勢いで変化しているから、これから先がどうなるかなんて誰も想像できない。

ー 子どもがアートに親しむ利点は?

自由にクリエイションすることが楽しいという経験こそが、これからの人にとって大事。何かのアートを通して世界の見え方が広がったり、アートだけじゃないと思うけど、自然の森に行くとか、そこで何かを発見するとか、学校にいると言葉で説明がつく知識ばかりを学ぶけど、言葉になっている固定的な知識ばっかりだと、これから先はもう役に立たない。それよりは、これは美しいとか、楽しいとか、言葉だけでは表せない、理解できないことってすごく重要だよね。そういうものを体験することで脳は成長するし、知的好奇心も生まれると思う。

 Team Lab opened "Team Labo Borderless" Digital Art Museum on Odaiba on June 21, 2018, "Team Labo Planets TOKYO DMM.com" at Shin Toyosu on Saturday, July 7, 2018 ! I asked Mr. Inoko Toshiyuki, a team lab representative, about each concept and difference.

「チームラボボーダレス」にある「学ぶ! 未来の遊園地」で人気の「お絵かき水族館」。自分の描いた魚が、目の前の巨大な水族館で泳ぎ出す。アートは、子どもたちの世界の見え方を変えてくれる

宇宙飛行士は自らも宇宙の一部と語る
森も同じ、その体験が人類の存続につながった!?

ー「チームラボボーダレス」も「チームラボ プラネッツ」も、どちらも迷路みたいで方向音痴には辛いですね。苦労しました。

海馬が成長しなかったんだね(笑)。でもね、希望はあって、海馬は他の臓器と違って、ずっと成長できるんだよね。他の臓器は劣化するけど、海馬だけは違う。90歳でも成長できる。新しい神経細胞が生まれる。だから海馬というのは、それくらい人間という生命体にとって重要な臓器なんだよね。あとの臓器はダメになっていくのに。

チームラボは2018年6月21日(木)お台場にデジタルアートミュージアム「チームラボボーダレス」を、2018年7月7日(土)には新豊洲に「チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com」をオープン!それぞれのコンセプトや違いついてチームラボ代表の猪子寿之さんにお伺いしました。

「チームラボ プラネッツ」に入ってすぐに現れる「花の森、埋もれ失いそして生まれる」。壁や鏡にたくさんの花々が映し出され、まるで迷路のよう

ー「チームラボボーダレス」は縦横無尽に “迷い” “彷徨う”ことがコンセプトのひとつですが、「チームラボ プラネッツ」は一方通行ですね。

「チームラボ プラネッツ」は、ひとつひとつの作品のなかを自由に動いて探索してほしい。「チームラボボーダレス」はもっと境界のない群による作品で、それこそボーダレス。だから「チームラボ プラネッツ」の方が、ひとつひとつの作品は理解しやすいかもしれない。

ー どちらもベビーカーを止められるようになっていますね。年齢制限はありませんか?

区別したくないし、小さい子でも、自分でそれなりに理解している。もちろん大人ほどじゃないけど。子どもも新しい体験をしたいだろうし、自分だってまだ知らない体験をしたいし、それによって成長したいと、大人になったいまでも思っている。見たことないものは見たいし、脳を成長させたい。知らない体験をしたいのは、大人も子どもも一緒。

ー「チームラボ プラネッツ」の水を使ったアート作品は、子どもはパンツまで濡れそうですね。

濡れればいいよ、乾くから(笑)。もともと人類は川のないところには住めなかったんだから。すべての町には川があった。東京ももともとは川だらけだったし。だから普通、町は川だらけで、都市以外の子どもたちはしょっちゅうずぶ濡れで遊んでた。そういう意味でも、こういう施設をつくりたかった。映画で昔を懐かしんでもしょうがないでしょ。戻れないし。でもそれを今できる形でつくりたかった。

 Team Lab opened "Team Labo Borderless" Digital Art Museum on Odaiba on June 21, 2018, "Team Labo Planets TOKYO DMM.com" at Shin Toyosu on Saturday, July 7, 2018 ! I asked Mr. Inoko Toshiyuki, a team lab representative, about each concept and difference.

「チームラボ プラネッツ」の、水面を泳ぐ鯉や光の線を膝下まで水に入りながら楽しむ「人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング」

ー 徳島での幼少体験をデジタルで再現してるというところはありますか?

そうでもないけど、どこかで影響はしているよね。どこかで。

子どもの頃は野山で遊んでたし、小学校に裏山があって、小さい山だけど原生林で、原生林って本当に境界がない。木に雑草が生えていたりする。でも公園だと植物にも境界があるでしょ。原生林みたいなところにいると、何か大きなものの一部になったような感覚を得るんだよね。

たとえば宇宙飛行士が宇宙に行くと、そういう体験を語るでしょ。森でも同じなんだよね。人間って、そういう体験をするようにできていて、体験することによって合理性を超越したから、人類は滅ばなかったんだろうな。そうじゃなかったら、時代時代にもっと合理的に搾取したりして、とっくの昔に滅んでいたかもしれないね。

ー これからの子どもたちはチームラボのアート作品で、そういう大きなものの一部になる原体験をすることになるでしょうか?

いや、できれば森に行った方がいいと思うよ(笑)。森にも行って、アート作品も体験してと。でも特に都市では、こういう施設に意味があったらいいね。

【体験レポート】2018年6月21日(木)オープン! 森ビルとチームラボのデジタルアートミュージアム「チームラボボーダレス お台場(MORI Building DIGITAL ART MUSEUM:EPSON teamLab Borderless)」に行ってきた!

【体験レポート】2018年7月7日(土)新豊洲にオープンした超巨大没入空間「チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com」に行ってきた! 子どもと一緒ならどっち?「チームラボボーダレス お台場」との比較も!

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チームラボ代表
猪子寿之

チームラボ代表。1977年生まれ。2001年東京大学計数工学科卒業時にチームラボ設立。チームラボは、アートコレクティブであり、集団的創造によって、アート、サイエンス、テクノロジー、デザイン、そして自然界の交差点を模索している、学際的なウルトラテクノロジスト集団。アーティスト、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者、建築家など、様々な分野のスペシャリストから構成されている。
https://www.teamlab.art

■ チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com
https://planets.teamlab.art/tokyo/jp/

■ チームラボボーダレス お台場 公式サイト:森ビルデジタルアートミュージアム」
https://borderless.teamlab.art/jp/

森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス , 2018, 東京, 日本 © チームラボ
チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com, 2018,豊洲, 東京, 日本© チームラボ

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