夏祭りなどで可愛い姿が人気!

ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)の飼い方

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縁日での子どもの人気者「ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)の飼い方を紹介します。飼い方は非常に簡単ですが、長生きするのでそれなりの覚悟が必要です。(記事作成:2005年7月)

※2020年8月末に追加修正
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は2015年3月、環境省および農林水産省が作成した「生態系被害防止外来種リスト」において「緊急対策外来種」に位置づけられました。「緊急対策外来種」は対策(防除、遺棄・導入・逸出防止等のための普及啓発など)の緊急性が高く、特に各主体(国、地方公共団体、国民など)がそれぞれの役割において、積極的に防除を行う必要がある外来種となります。環境省では外来生物法による規制の検討を進めていますが、具体的な規制の内容やその開始時期は未定です(2020年8月末現在)。詳細は環境省の「日本の外来種対策」のページをご確認ください。

縁日で子どもの目を釘付けにする“ミドリガメ”

縁日に行くと子どもの目を釘付けにするのが「金魚」、そして「ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)」。金魚同様すくい上げることは難しいけれど、ダメでももらえて(買えて)しまう、親にとってはありがた迷惑的なもののひとつ。親なら子どもの「カメすくいをした〜い!」 という声を毅然と却下できるものの、じぃじ、ばぁばなんかは「ダメ」と言えず、気が付いたらニコニコ顔でカメの入ったビニール袋を握りしめている我が子の姿を確認する、というのはよくある光景です。さて、どうしよう?




これから飼おうと考えている方は
ちょっと待って!

縁日で売られているミドリガメは、正式名称を「ミシシッピアカミミガメ」と言います。 耳の周辺に鮮やかな赤色の模様があることからその名が付いたようですが、実は飼育するにはけっこう微妙な生き物で、今から飼おう、次の縁日で買ってやる、なんて約束をしている方は、やめておいた方が無難です。飼い方の問題ではなく、環境や法律の問題です。

「ミシシッピアカミミガメ」は、その名の通りもともと日本にいた種ではなく、アメリカでペット用として大量に繁殖されるようになり、価格が安くなったことで日本に入ってきたものです。その愛らしい姿から人気が出るのですが、「カメは万年」という言葉にもあるようにとても長生きです。飼育から2〜3年で甲羅の長さが 8〜10cm、まだある程度キレイな緑色を保っているものの、それ以降、鮮やかな色彩は失われていき、また想像以上に大きくなっていきます。寿命は平均13〜15年、上手に飼うと30年程度、大きさは30cm程度にまで成長するようです(テレビ東京の『緊急SOS! 池の水ぜんぶ抜く大作戦』で捕獲される巨大なミシシッピアカミミガメを観ると、こんなに大きくなるのかと、飼うのが恐ろしくなります)。

それだけではありません。飼い始めたものの面倒になって逃がして(捨てて)しまうのはブラックバスやブルーギルなどと同じで、生態系に大きな影響を与えてしまう可能性があります。このミシシッピアカミミガメもすでに大量に野生化し、「要注意外来生物」となっています。「特定外来生物」として規制される可能性もあり、そうなると飼育や運搬が原則禁止になるだけでなく、野外へ逃がすことも違法になり、個人の場合は懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金、法人の場合1億円以下の罰金と、非常に重い罰則が課せられます。つまり、まだ飼っていないなら、飼わないことをおすすめします。

※参考:日本の外来種対策(環境省)

現在のミドリガメの飼育状況です。水槽の底に砂利が敷いてありますが、毎日水を替えることを考えると、ない方が楽

カメは肺呼吸ですし、泳いでばかりも疲れてしまうので、陸場は必ず必要。セメントの岩だと水をアルカリ性に代えてしまうのでNG。レンガならOKです

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ミドリガメを飼ってはじめて本物の「甲羅干し」を見ました。頻繁に「甲羅干し」をしているのですが、いろいろな格好で楽しませてくれます。伸びた手足がけっこうキュート




飼うのは楽、水をキレイに保つのに注意

とはいえ、もうすくってきちゃって、その飼い方を調べてこのページに辿りついた方は  “飼わない” という選択肢はないでしょうから、野外に逃がしたり、捨てたりせずに、ぜひ飼い続けてください。みんなが捨てないことで特定外来生物にならずにすむのですから。かく言う筆者も、現在2匹を飼育中です。甲羅干しの姿が可愛いかったり、慣れてきて手からエサを食べたり、飼ううちに愛着もでてきます(噛み付くのでご注意ください。大きくなるとケガをします)。子どもが大きくなって家を出てもカメは残るのかと思うと正直多少複雑ではありますが‥‥。

飼育に必要なものは水槽と陸場ですが、カメの飼育用キットが販売されていますので、最初はそれが一番お手軽でしょう。陸場などの必要なものもすべて入って いますし、室内で飼うでしょうから、それなりに見栄えもします。シーズン中なら「オリンピック」などのホームセンターで2,000円程度で購入できます。水槽に陸地を置き、ミドリガメの背中が隠れるくらい水を入れてあげれば、それでできあがりです。

ミドリガメの飼育で大切なのは、常に水をキレイにしておくことです。ミドリガメは水の中で生活するとともに、その水は飲み水でもあります。そのため水はこまめに、できれば毎日替えてあげるのが理想的。また水は、水道水を使うなら、カメは肺呼吸なのでそれほど影響はないと思いますが、できれば汲み置きして カルキを抜いたものにしてあげましょう。

慣れると近付くに行くと寄ってきて、じっと見つめたりします。エサをくれると思うからでしょうが、こんな姿も健気で可愛らしい

シラス大好き。顔の半分くらいを口にしてガッつきます。食欲旺盛で、何でも食べますが、基本は市販のカメのエサを与えています

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“カメはのろま”と言いますが、ミドリガメの動きはけっこう素早く、ベランダでお散歩しているときも、ちょっと目を離したすきに遠くまで移動しています

何でも食べるミドリガメ

ミドリガメは雑食なので何でも食べますが、市販のカメのエサを2〜3日に一度、5分以内に食べきれる量をあげれば十分です。なお肉食なので、たまにシラスなどをあげると喜んで食べます。塩分が強いので、塩抜きしてからあげるといいでしょ う。あげ過ぎるとみるみる大きくなってしまうので、セーブしながらあげるのがいいと思います。

本家本元の“甲羅干し”

「甲羅干し」という言葉があるように、ミドリガメはしょっちゅう甲羅干しをしていま す。日光浴は欠かせないようです。そのため飼育ケースは太陽の光が当たる場所に置いてあげます。しかし光を遮る日陰をつくってあげることも大切です。室内で飼うこともできますが、ベランダなど、屋外の方が日光浴や毎日の水替えを考えると適しています。なおミドリガメも寒くなると冬眠しますが、小さいうちはそのまま死んでしまったり、なかなかうまく冬眠や越冬はできないようです。暖かければ冬眠する必要はありませんので、室内で育てているなら1年を通して同じ飼い方で育てられます。

お世話の後は、必ず石鹸で手を洗いましょう

なおミドリガメにはサルモネラ菌など人体に有害な菌が付いていることがありますので、 世話をした後は必ず石鹸で手を洗いましょう。これはミドリガメに限らず、生き物には雑菌等が付いていて当たり前と思った方がよさそうです。お子さんと一緒に世話をすることが多いと思いますので、“お世話の後は石鹸で手洗い”と、お子さんにも徹底してください。

【レポート】ミドリガメの飼育と越冬 ミドリガメただいま冬眠中
【レポート】ミドリガメ1年目の冬眠の結果についてはこちら!
【レポート】ミドリガメのビオトープづくりに挑戦!

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