国立科学博物館「タルボサウルス」「サウロロフス」「オピストコエリカウディア」の組立作業を公開!

「大恐竜展」巨大恐竜3体の全身骨格の組立を見学!

2013年10月22日(火)、東京・上野の国立科学博物館で26日(土)から開催される「大恐竜展 – ゴビ砂漠の驚異」で展示される巨大恐竜3体の組立作業が公開! それぞれ足や頭、脊椎の一部を取り付け、全身骨格が完成しました。同展は世界有数の恐竜化石の産地として知られるモンゴル・ゴビ砂漠で発掘された白亜紀の実物化石など100点以上を紹介。モンゴル・ゴビ砂漠の実物恐竜化石を一堂に見られる貴重な機会となります。2014年2月23日(日)まで開催。

国立科学博物館、7000万年前の巨大恐竜「タルボサウルス」「サウロロフス」「オピストコエリカウディア」の組立作業を公開!子どもに見せたい「大恐竜展」恐竜3体の全身骨格が完成!

全身骨格が完成! いよいよ10月26日(土)から「大恐竜展」が開催!

2013年10月26日(土)からの開催に向けて組み立てられたのは、本展の見所でもある巨大恐竜、全長10m、アジア最大の肉食恐竜「タルボサウルス」、大型植物食恐竜「サウロロフス」、そして世界ではじめて実物化石で全身骨格を復元する「オピストコエリカウディア」の3体。いずれも約7000万年前の白亜紀後記にユーラシア大陸に生息していました。作業員の方々が鉄の骨組みに足や頭、尾椎の化石を取り付け、全身骨格を完成させました。

【体験レポート】「大恐竜展 – ゴビ砂漠の驚異」に行ってきた!

国立科学博物館、7000万年前の巨大恐竜「タルボサウルス」「サウロロフス」「オピストコエリカウディア」の組立作業を公開!子どもに見せたい「大恐竜展」恐竜3体の全身骨格が完成!

いずれも10m以上の巨大恐竜。約7000万年前の白亜紀後記にユーラシア大陸に生息していた、左から「タルボサウルス」「サウロロフス」「オピストコエリカウディア」

同展の監修を務めている国立科学博物館地学研究部研究主幹の真鍋真先生は、「モンゴル・ゴビ砂漠で発掘された実物化石を存分に見てもらう展示会です。1920年代にロイ・チャップマン・アンドリュースという伝説の化石ハンターがモンゴル・ゴビ砂漠に行って次々とすごい化石を発掘するのですが、彼の足跡を辿るかのようなイメージの会場構成になっています。一番古いところは約1億1千万年前、9000千万年前、8000千万年前、7000千万年前、そして恐竜は絶滅を迎え、しかし恐竜の中の一部の鳥はそれをまぬがれ、現代につながっています。最近は恐竜が子どもから大人までどう成長をするのか、子育てはどうだったのかなど、恐竜の生物学が重要になってきていますが、そのコーナーも用意する予定です」と挨拶。

同じく監修を務めている東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻講師 對比地孝亘(ついひじ たかのぶ)先生も、「大きなものから小さなものまで、保存状態のいい実物化石が一堂に会する素晴らしい機会です。恐竜の世界を楽しんでほしい」と自らもとてもワクワクしていると話てくれました。

国立科学博物館、7000万年前の巨大恐竜「タルボサウルス」「サウロロフス」「オピストコエリカウディア」の組立作業を公開!子どもに見せたい「大恐竜展」恐竜3体の全身骨格が完成!

同展の監修を務めている国立科学博物館地学研究部研究主幹の真鍋真先生

国立科学博物館、7000万年前の巨大恐竜「タルボサウルス」「サウロロフス」「オピストコエリカウディア」の組立作業を公開!子どもに見せたい「大恐竜展」恐竜3体の全身骨格が完成!

同展の監修を務めている東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻講師の對比地孝亘(ついひじ たかのぶ)先生

全長10m、アジア最大の肉食恐竜「タルボサウルス」

「タルボサウルス」はアジア最大の肉食恐竜で、ティラノサウルスに似ています。ほぼ同時期に北米にティラノサウルス・レックスがいましたが、非常に近縁な恐竜となります。ティラノサウルスの別種ではないかと考えている研究者もいます。白亜紀末期の北米とアジア大陸は、間にあるベーリング海峡を通じて恐竜の行き来があったのではという仮説のひとつの証拠となる恐竜です。

ティラノサウルス類の特徴は、大きながっしりとした足と、非常に短い前足と2本しかない指。展示する個体はモンゴルで見つかったタルボサウルスのなかでも最大で、頭だけで120cm。ティラノサウルスの頭は130cm以上あるので、それよりも少し小さいけれど、それに匹敵する大きさの肉食恐竜であると言えます。

国立科学博物館、7000万年前の巨大恐竜「タルボサウルス」「サウロロフス」「オピストコエリカウディア」の組立作業を公開!子どもに見せたい「大恐竜展」恐竜3体の全身骨格が完成!

組立は「タルボサウルス」の左後ろ足から。ティラノサウルス類はがっしりとした後ろ足が特徴のひとつ

国立科学博物館、7000万年前の巨大恐竜「タルボサウルス」「サウロロフス」「オピストコエリカウディア」の組立作業を公開!子どもに見せたい「大恐竜展」恐竜3体の全身骨格が完成!

1.5メートルほどの長さの足はかなり重く、4人かがりで鉄の骨組みへと取り付けた

国立科学博物館、7000万年前の巨大恐竜「タルボサウルス」「サウロロフス」「オピストコエリカウディア」の組立作業を公開!子どもに見せたい「大恐竜展」恐竜3体の全身骨格が完成!

次に頭を取り付けるが、重量があるため、頭はレプリカ。実際には実物化石も展示される

同展では、同じ場所で発見された全長約2mのタルボサウルスの子どもの個体も展示します。注目するのは、子どもの2mから大人の10mに成長するまでに、体にかなりの形の変化が起こっていること。大人ではがっしり太い足も、子どもの頃は重たい体重を支えなくてもいいので、かなりほっそりしています。また大人の歯は骨をも砕けるよう太くて頑丈、バナナのような歯ですが、子どもの歯は薄いナイフのよう。頭の形態も大きく異なっているので、そんな形やプロポーションの変化を見ていただくのも、今回の恐竜展の目玉のひとつです。

頭の化石はレプリカですが、実物化石も子どもの頭の化石と一緒に、比較できるよう展示します。巨大な頭を支えるため、首の骨がとても太く短い。これは大きな肉食恐竜の特徴のひとつで、ティラノサウルス類の特徴でもあります。(對比地孝亘先生)

国立科学博物館、7000万年前の巨大恐竜「タルボサウルス」「サウロロフス」「オピストコエリカウディア」の組立作業を公開!子どもに見せたい「大恐竜展」恐竜3体の全身骨格が完成!

バナナのように太い歯は、骨も噛み砕けるほど頑丈。サメのように次々と生え変わった。一方、子どもは薄いナイフのような歯

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は虫類とほ乳類の違いは、は虫類はあごが大きく左右に開き、大きな獲物を食べられるようになっていること

国立科学博物館、7000万年前の巨大恐竜「タルボサウルス」「サウロロフス」「オピストコエリカウディア」の組立作業を公開!子どもに見せたい「大恐竜展」恐竜3体の全身骨格が完成!

「タルボサウルス」の骨格標本が完成!

大型植物食恐竜「サウロロフス」

頭の化石は重いのでレプリカですが、実際の展示では足下に実物化石を配置します。サウロロフスは植物食恐竜で、タルボサウルスに捕食されていました。特徴は頭の後ろに突起があること。“とさか”ではなく骨でできています。鼻から突起にかけて空洞になっていて、音を出すなどという想像をする研究者もいますが、どんな機能、役割があったのかは、わかっていません。サウロロフスにしかない特徴なので、仲間同士やオス、メス、子どもなどを識別していたのではないかと考えられています。

国立科学博物館、7000万年前の巨大恐竜「タルボサウルス」「サウロロフス」「オピストコエリカウディア」の組立作業を公開!子どもに見せたい「大恐竜展」恐竜3体の全身骨格が完成!

「サウロロフス」の胴体に、木箱に入っている頭を取り付ける

国立科学博物館、7000万年前の巨大恐竜「タルボサウルス」「サウロロフス」「オピストコエリカウディア」の組立作業を公開!子どもに見せたい「大恐竜展」恐竜3体の全身骨格が完成!

「サウロロフス」の特徴は頭の後ろにある突起。機能や役割はわかっていない

世界で初めて実物化石で全身骨格を復元する「オピストコエリカウディア」も植物食恐竜ですが、それに比べるとサウロロフスはかなりスリムです。その理由は、おそらく、何百本もの歯を持っていて、固い食物繊維を細かくすりつぶすことができ、他の恐竜に比べると消化が早く、腸が短くてすんだから、胴体がスリムになったのではないかと思われています。

白亜紀末期の7000万年前という時代は、アメリカではティラノサウルス、アジアではタルボサウルス、しかしこのサウロロフスはアジアにも北米にもいました。先ほどのタルボサウルスでも北米とアジア大陸の間のベーリング海峡を通じて恐竜の行き来があったのではというお話がありましたが、その説を裏付ける証拠のひとつと考えられています。(真鍋真先生)

国立科学博物館、7000万年前の巨大恐竜「タルボサウルス」「サウロロフス」「オピストコエリカウディア」の組立作業を公開!子どもに見せたい「大恐竜展」恐竜3体の全身骨格が完成!

口先がアヒルやカモのような形で、カモノハシ恐竜というグループ

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真鍋先生曰く、7000万年前という古さを感じさせない、“生々しい化石”とのこと

国立科学博物館、7000万年前の巨大恐竜「タルボサウルス」「サウロロフス」「オピストコエリカウディア」の組立作業を公開!子どもに見せたい「大恐竜展」恐竜3体の全身骨格が完成!

「サウロロフス」の歯の構造も見られる展示を行うそう

世界初! 実物化石で全身骨格を復元「オピストコエリカウディア」

首から先が見つかっていない恐竜で、しっぽのところが学名の由来となり、1977年に命名されました。「オピスト」は「後ろ」、「コエリ」は「空洞・凹んでいる」、「カウディア」は「しっぽ」で、「尾椎の脊椎の後ろ側が凹んでいる」という意味です。非常に珍しい特徴で、1970年代当時はこの恐竜にしか、この特徴は見つかっていません。このような関節は非常によく動き、脱臼しずらい。しかし首から頭がないため、長い間ポーランド、モンゴルの収蔵庫にしまわれていた化石で、130点ほど実物化石があるのですが、世界ではじめて組み立てたものです。

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世界ではじめて実物化石で組み立てられる「オピストコエリカウディア」

推定体重は24トン。柱の太さと体重には相関関係があることはわかっているので、大腿骨や上腕骨の太さから体重を推定しています。骨だけの重さはなかなかわからないのですが、この化石の大腿骨は270kgほどあるかと思います。

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名前の由来ともなった尾椎。かなり重いそう

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尾椎のレプリカ。実物はとても重いので、レプリカをつくり組み立て、関節などがどのように動くかを調べる

サウロロフスはたくさんの歯のおかげでスリムな体でしたが、「オピストコエリカウディア」のようなタイプの恐竜の歯は、熊手のような歯で、植物をかき集めたりついばむくらいしかできず、あとは飲み込むだけです。そうすると胃腸で長い時間をかけて消化するしかなく、そのため樽のような胴体が必要になったと考えられています。もともと恐竜は二足歩行の肉食からスタートし、だんだん大型化した。植物を食べるようになると消化するために腸が長くなり、そのため植物を食べるということに目覚めてから、大型化しなければいけなくなったと考えられます。(真鍋真先生)

同展は国立科学博物館で2013年10月22日(火)〜2014年2月23日(日)まで開催。

【体験レポート】「大恐竜展 – ゴビ砂漠の驚異」に行ってきた!

国立科学博物館、7000万年前の巨大恐竜「タルボサウルス」「サウロロフス」「オピストコエリカウディア」の組立作業を公開!子どもに見せたい「大恐竜展」恐竜3体の全身骨格が完成!

写真中央上部、しっぽの付け根あたりに空白があるが、ここに尾椎の実物化石をはめる

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重い上、壊れやすいもののため、慎重な作業が続きます

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足部分の化石が組み立て。前足は指が退化し、手のひらのような部分しかないそう

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組み立てが完成。しかし首から頭は、まだ見つかっていない。実際には、もっと首は長いかもしれない

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