映画「GAMBA ガンバと仲間たち」声優

梶裕貴さん×神田沙也加さんインタビュー!

キッズイベント「子どもの夢の叶え方」第16回 梶裕貴さん×神田沙也加さん(映画「GAMBA ガンバと仲間たち」)インタビュー

2015年10月10日(土)公開の3DCGアニメーション「GAMBA ガンバと仲間たち」で、主人公ガンバの声優を務めた梶裕貴さん(写真右)と、ヒロイン潮路の声を務めた神田沙也加さん(写真左)。「大人から子どもまで、全ての人に楽しんでいただける本当に素敵な作品です。日本が誇るCGアニメーションが完成しました!」と梶裕貴さん

1972年に刊行された児童文学「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」は、小さなネズミを主人公にした冒険物語で、テレビアニメ、ミュージカルなどに翻案され、子どもたちのみならず大人をも魅了してきました。そんな多くの人が親しんだストーリーが、構想15年、製作期間10年を経て3DCGアニメーション『GAMBA ガンバと仲間たち』として2015年10月10日(土)に全国公開! そこで、主人公ガンバとヒロイン潮路(しおじ)を演じた声優の梶裕貴さんと神田沙也加さんにインタビュー! 映画の見どころや声優を目指している子どもたちへのメッセージをいただきました!(インタビュー:2015年8月30日(日) / TEXT:キッズイベント 高木秀明 PHOTO<梶裕貴さん、神田沙也加さん>:大久保景)

日本アニメーションの新たな幕開け!
映画『GAMBA ガンバと仲間たち』は
日本が誇るアニメ!

ー 原作はもちろん、テレビアニメも人気の高かった作品ですが、今回の映画で主人公「ガンバ」役、ヒロイン「潮路(しおじ)」役のオファーがあったときは、どんな気持ちでしたか?

梶裕貴さん:「ガンバ」は誰からも愛されている歴史ある作品で、再び劇場アニメーションとして映像化されるのはとても嬉しかったです。さらにその中でガンバ役としてオファーをいただいたときは、嬉しいという気持ちとともに、みなさんの期待も感じましたし、他のメインキャラクターの声を大先輩方が演じられると伺い、緊張やプレッシャーも大きかったです。ですが先輩方の胸をお借りするつもりで、ありがたくガンバ役を演じさせていただきました。

神田沙也加さん:私も本当に驚きました。私でいいのかなと。そうそうたるメンバーのなか、本当に私が中に入れるんだろうかと思いました。でも潮路ちゃんを見たときに、本当にかわいくて、この子の声をやれるということを誇りに感じました。




ー 完成した映画を観てどう感じましたか?

梶裕貴さん:いやぁ、感動しましたね。改めて素敵な作品だと感じましたし、それに関われたことが光栄でした。日本のアニメーションの底力を思い知ったと言いますか‥‥新しい時代に入ったんだなと思いました。お子さんはもちろん、大人も、海外の方も含め、より多くの方にご覧いただけることを心から願っています。声優界を代表する先輩方がたくさん出演されていて、普段アニメをご覧にならない方も、今までにどこかで必ず聞いたことのあるお声とお芝居だと思うので、非常に馴染みやすい作品にもなっていると思います。

構想15年、制作に10年という、とてつもない思い入れと愛情でつくられており、役者の口の動きに合わせてプレスコ(台詞を先行して収録する手法)で映像がつくられているんです。なのでアフレコをするにあたっていただいた映像は、その時点でかなりの完成度で、表情ひとつとってもクオリティがものすごく高いんです。逆に言うと僕たち声優は、その完璧な日本語の口の動きに合わせなければならないという技術的な難しさもあったのですが、そういった部分も含めて本当に感動しました。同時に「日本のCGアニメーションはすごい!」ということを改めて感じる機会にもなりました。まだ劇場のスクリーンでは観ていないので、僕自身、早く大きなスクリーンで、3Dで観てみたいですね。

神田沙也加さん:私もまったく同じなんですけど、「これに声を入れてもらいます」と観せていただいた映像がかなりのクオリティで、ここに何をしたら、私にまかせていただいた意味を見い出せるかなということをすごく考えました。実は私が一番最初にアフレコをしたのですが、あとのみなさんがやりにくくなかったか、とても不安でした。

みなさんの声が入った完成版は、ブラッシュアップにブラッシュアップを重ね別物級の迫力に仕上がっていて、お客さんが観たらきっと鳥肌が立つでしょうね。改めて先輩方はすごいなと感じましたし、私ももっともっと勉強したいなと思いました。そして、この作品の一部になれて幸せでした。楽しいアフレコでもあったので、素敵な体験になりましたね。

キッズイベント「子どもの夢の叶え方」第16回 梶裕貴さん×神田沙也加さん(映画「GAMBA ガンバと仲間たち」)インタビュー

「ネズミたちが主人公の作品ですが、その部分はCGで完璧に表現されているので、僕らはネズミではありつつも、ひとつの『人間ドラマ』として、心からの声とお芝居で演じさせていただきました」と、梶裕貴さん。構想15年、制作10年、3DCGアニメーションになって「ガンバ」が帰ってくる! 2015年10月10日(土) 2D/3D ロードショー! © SHIROGUMI INC., GAMBA

ー「楽しいアフレコだった」ということですが、神田さんはどんなところが楽しかったですか?

神田沙也加さん:キャラクターの表情や流す涙、動くときの毛のなびき方などがとてもリアルに表現されていて、キャラクターが生き生きしている姿をいかに表現しようかなと、監督方とも相談しながらやらせていただきました。潮路はメインキャラクターの中では唯一の女の子なので、芯が強く母性を持っていて、男子を引っ張っていくようなしっかりした潮路を見せたいなと思い、地に足をつけて、みんなをしっかりと支えられるようにという気持ちで演じました。そこは課題でもあり、勉強にもなったところです。

ー「アナ雪」でドカン! とブレイクしたあとの作品なので、まわりの期待値が高いですよね。プレッシャーはありませんでしたか?

神田沙也加さん:キャラクターが本当に可愛くて、動いている様が魅力的だったので、スクリーン上に出ているのが彼らであれば、私はそこにどう魂を入れればいいかだけを考えればよかったので、今回はそんなにプレッシャーは感じませんでした。

キッズイベント「子どもの夢の叶え方」第16回 梶裕貴さん×神田沙也加さん(映画「GAMBA ガンバと仲間たち」)インタビュー

神田沙也加さん演じる潮路は、物語のキーとなる歌を劇中で披露! © SHIROGUMI INC., GAMBA

友だちや仲間、常に支えられて今がある

ー 映画「ガンバと仲間たち」は友情や仲間の物語でもありますが、友だちや仲間に支えられているなと感じるのは、どんなときですか?

梶裕貴さん:常々そう思います。何事も、自分ひとりではできないことだらけなので。まずは、仕事のことが一番に浮かびますね。現場に入るのもマネージャーさんの手配のおかげですし、ひとつの作品をつくるのも‥‥もちろん「ガンバ」もそうですが、監督を中心に、その一人を支えるみなさんがいて、そのみなさんに支えられながら僕たちはお芝居をして。公開されたあとはお客様に観ていただいて、観ていただくことで僕たちはエネルギーをもらって、また新しい作品をつくって‥‥という、いい意味での輪が繋がっている。支え合いだなと感じています。

ー 野沢雅子さんなど、ベテラン声優のみなさんが脇を固めていらっしゃいますが、どのようなお気持ちですか?

梶裕貴さん:改めて、大先輩方の存在感やお力というものを強く感じました。僕らも小さい頃からお聴きしているお声、お芝居なので、そういう方々と同じ現場にいさせていただいたということ自体、非常に嬉しいことです。それに作品の中では、キャラクターたちが仲良く肩を並べて一緒に冒険しているというのが、個人的に、また夢のようなお話だと感動しています(笑)

ー 同じ質問ですが、神田さんは友だちや仲間に支えられているなと感じたことは?

神田沙也加さん:毎日どなたかと「はじめまして」がある職種です。実は梶裕貴さんとも今日が「はじめまして」なんです。オファーだったりオーディションだったり、いろいろな形がありますが作品に参加することが決まって仕事をし、終わりが来るわけですが、でも決してそれで終わりということではなく、ここで出会った方とはまた別の作品でお会いする機会があるかもしれません。時間を経てまた再会すると、最初にお会いしたときの自分とはまた違う視点が持てていたり、「今だったらどういうふうに演じたんだろう?」ということに思いを馳せたり、常に人との出会いがベースになっている仕事で、芸事ってそういうものなんじゃないのかなと思っています。だからひとつの仕事で出会うスタッフの方々や、舞台ならカンパニーだったり、そういうものひとつひとつの記憶が、確実に今の自分の人格というか、アイデンティティーをつくっているなと感じています。

キッズイベント「子どもの夢の叶え方」第16回 梶裕貴さん×神田沙也加さん(映画「GAMBA ガンバと仲間たち」)インタビュー

完成披露試写会の舞台挨拶には、総監督の小川洋一さん(写真左から2番目)、監督の河村友宏さん(写真右)、同じく監督の小森啓裕さん(写真左)が、ネズミの耳としっぽをつけて登場! 梶裕貴さんの「大冒険へ出発だ!」のかけ声に、ガンバの世界観と会場が一体となりました!

頑張って“人見知り”を克服!
誰にでもできるその方法は!?

ー 「ガンバ」ということで、人生の中で頑張ったな、と思うことは何ですか? そしてそれが、今の活動につながっていたり、ターニングポイントになったことはありますか?

梶裕貴さん:中学生のころに「声優になりたい」という夢を持ちました。それまでは何かに夢中になるたびに、また他の夢が見つかって、これがやりたい、あれがやりたいと目移りしていたのですが、声優になりたいと思ってからは、その夢が変わらずに今に至っています。もちろん何度も何度も、数えきれないくらい壁にはぶつかっていますが‥‥(笑)。そのなかでも、やはり初めてアニメのオーディションに合格できたことは、自分にとって非常に大きな出来事だったと思います。

ー なぜ声優はあきらめずに続けて来られたのでしょうか?

梶裕貴さん:声優を目指しはじめたときに知った、「声優は、何を頑張っても全部自分の力になる、返ってくる職業」という言葉が大きかったと思います。おかげで、どこに行くのも、何かに挑戦するのも、たとえ失敗したとしても、何ひとつ無駄になることはないんだと思えたので。そしてそれ以来、今に至るまで、何に対しても全力で頑張っています。

神田沙也加さん:私はずっと自分が人見知りだと思っていたんです。何十人もいる大きなカンパニーで長期の稽古がある舞台に入ったとき、転校生じゃないですけど、やっぱり最初ってとても肝心で、あとになって緊張して辛い思いをするのは自分だから、早いうちに克服しようと、今日は何人って決めて全員に自分から何かしら話題を探して話しかけるということをやったんです。去年かな。で、そうすると、話しかける何かを探すために、その人をすっごく見るんですよ。「その稽古着のパンツ可愛いですね」とか、「ちょっと前髪切りました?」とか、そういうところを探していると人間観察もできたり、視線を感じて目が合うようになったり、だからそのときは本当に何十人にも話しかけて、最終的には話せない人がいなくなったので、そのときは頑張ったなと思います。かつ、人見知りを克服しました!

ー それはすごい! だって人見知りの人って、それやろうと思っても、なかなかできないわけですよ。それができるのはすごいですよ!

神田沙也加さん:けっこう毎日バタンキューでした(笑)。グッタリしちゃって。いやぁ、頑張りました。ホントに(笑)

キッズイベント「子どもの夢の叶え方」第16回 梶裕貴さん×神田沙也加さん(映画「GAMBA ガンバと仲間たち」)インタビュー

冒険にちなんで「どこか行ってみたいところは?」の質問に、梶裕貴さんは「世界遺産を見るのが好き。サグラダ・ファミリアは見てみたい」。神田沙也加さんは「ウィーン。音楽の都と言われていますし、大きな劇場があるので行ってみたいな」

ー 先ほどの「その稽古着のパンツ可愛いですね」とか、これは絶対に会話の糸口になるな、というものがあれば教えてください。

神田沙也加さん:その日その日で、その人の状態って違いますし、着ているものも、髪型も、女の子なら結んでるとか下ろしているとかいろいろあると思うので、その人をよく観察することかな。

私は人見知りでしたが、今はまったくないんです。それはあっけない結末で、メイクさんに「私、すごい人見知りだから緊張しちゃって」と話したら、「えっ! 沙也加ちゃん全然人見知りじゃないじゃん」と言われたんですよ。「自分から話かけられるし、インタビューもできるし」と。インタビューとか人と話をすることは好きなので、それを聞いて「隠れ人見知りだと思っていたのは自分だけだったんだ」って気がついたんです。そしたら脳ってすごく自己暗示がかかるもので、“行ける気がする!”と思ったら、行けるようになっちゃったんですよ。だから自己暗示だと思うんです。自分次第。そして、この人もきっと自分との会話の糸口を探してくれているに違いないっ! ていう、ちょっとうっとうしいくらいにポジティブシンキングがいいのかなと思います(笑)。グイグイいく感じ(笑)

ー 梶さんは人見知りは?

梶裕貴さん:あまりそう見えないと言われますけど、僕は自分で暗示をかけられないほど、自分の中では人見知りだと思っています(笑)。

ー お二人は今日が初対面ですよね? 大丈夫ですか(笑)

神田沙也加さん:すごい話かけてくれます。

梶裕貴さん:やっとヒロイン役の役者さんとお会いできたわけですからね。そこは座長として。‥‥でも僕からしたら神田沙也加さんはテレビの中の人なので、当然緊張もしています(笑)。でも、せっかく一緒に舞台にあがる機会なのに、何もお話しないというのも、もったいない! と思って、勇気を出してお話させていただきました!

キッズイベント「子どもの夢の叶え方」第16回 梶裕貴さん×神田沙也加さん(映画「GAMBA ガンバと仲間たち」)インタビュー

「ノロイが怖すぎて、私は泣きそうになりました!」と神田沙也加さん。「劇場映画ということで、コンパクトに、スピーディに展開するので、小さなお子さんでも最後まで夢中になって観られるようにつくられているなと感じています」と梶裕貴さん

潮路との再会
また新たな冒険をしてみたい!

ー「ガンバ」でまた冒険ができるとしたら、次はどんな冒険をしたいですか?

梶裕貴さん:やっぱり潮路と再会したいですね。

神田沙也加さん:え、出ていいですか?

梶裕貴さん:もちろん! 冒険のお話なので終わりはないと思いますし、いろいろな冒険を見てみたいですよね。潮路との再会もそうですし、もうちょっと大きくなった彼らも見てみたいなと思います。

ー 今度はヨイショっぽい立場だったり?

梶裕貴さん:そうですね。立場も変わっていくのかなぁ。

ー 神田さんは、ガンバとはどういう再会が理想ですか?

神田沙也加さん:やっぱり島を飛び出した形で、違う場所でお会いできたらいいんじゃないかなと思いますね。でもどういう形かなぁ‥‥。ガンバが迎えに来てくれてもいいですね。「行くよ!」って。

梶裕貴さん:でも絶対、ツブリがいないと行けないですよね(笑)

神田沙也加さん:そこがポイントなんですよね(笑)。今回もツブリがいなかったらっ! もうっ! という存在なので、ぜひガンバ一味に加わってもらって、ワールドワイドに活躍できたらいいですね。

キッズイベント「子どもの夢の叶え方」第16回 梶裕貴さん×神田沙也加さん(映画「GAMBA ガンバと仲間たち」)インタビュー

オオミズナギドリのツブリに乗るガンバと潮路。ツブリの声優は、テレビアニメでガンバの声を務めた野沢雅子さん。この3人(2匹と1羽)の連携は大きな見どころのひとつ! © SHIROGUMI INC., GAMBA

20代最後の作品、30代も
今までと変わらず全力で頑張っていく!

ー 梶さんは今29歳で、もうすぐ誕生日。この映画が20代最後の作品かと思うのですが、20代と30代、どう変わっていくと思いますか?

梶裕貴さん:実際にどう変わるかは、なってみないとわかりませんが、20代と30代では心構えというか、意識も変わるかな。でも30代になるにあたっての心の準備もしてきたつもりで、いろいろな先輩方にお伺いしても「30代は楽しかった、楽しいよ」とお答えになられて、でも「20代を一生懸命頑張ってきた人たちだけどね」、という言葉もおまけで付いてくるので、30代が素敵なものになるように、特に20代後半は真摯にお芝居に向き合い、取り組んできたつもりです。仕事のスタイル、プライベートの過ごし方も変わっていくのかなと思っていますが、充実した30代を迎えられればいいですね。

ー 20代の手応えはどうでしたか?

梶裕貴さん:全力でやってきたかな、と思います。後悔はないし、やりたかった、やってみたかったけどご縁のなかった作品もあるわけですが、そういうのも含めて、自分にとって意味のある出会いだったんだと思っています。このまま変わらず、全力で頑張っていきたいと思います。

ー 具体的には30代にはこれをやりたい、やるぞ、というのはありますか?

梶裕貴さん:う〜ん‥‥。作品とは出会いかな、と思っていて、自分の考えや理想はあるけど、それとうまく噛み合うところで、出会うべくして出会うんだろうなと思いながら、何事も一生懸命やることかな、と思っています。

キッズイベント「子どもの夢の叶え方」第16回 梶裕貴さん×神田沙也加さん(映画「GAMBA ガンバと仲間たち」)インタビュー

大人にとってはどこか懐かしく、子どもたちにとってはまったく新しいガンバの物語。2015年秋、日本のエンターテインメントに新たな旋風を巻き起こす!

声優になるために
子どもたちが今できることは?

ー 梶さんは新人の頃「ご飯を食べるのもいっぱいいっぱいで、お芝居になかなか集中できなかった」そうですが、それでも声優を続けてこられたのはなぜですか?

梶裕貴さん:当然、何度も心が折れそうになりましたけど、やっぱり「悔しかった」からですね。まだちゃんと見ていただけていない、評価してもらう前の段階であきらめたらもったいないなと。実際にいろいろと仕事をして、それでもうまくいかない、先が見えないということなら違ったんでしょうけど、まだちゃんと見てもらえていないし、もっとできるはずだと自分の力を信じていました。

ー 神田さんは声優をはじめ舞台やテレビなどでも活躍されています。声だけと、自らが出て演技するのでは、気持ちや役に対する考え方、取り組み方は変えているんでしょうか?

神田沙也加さん:お客様がいらっしゃる空間と、お見せしたいもの、そのサイズ感や距離感によって取り組み方は変えています。たとえば大きな劇場でのミュージカル。だいたいみなさんに「ミュージカルのイメージは?」って聞くと「(身振りをつけて)わたしは〜♪」みたいになりますが、それはそういうイメージでやっているのではなくて、空間に合わせると必然的にそうなるんです。

大きな劇場で最後列から舞台を見ても豆粒くらいにしか人が見えないときに、ちょっと眉毛を動かして顔の表情を変えても伝わりません。そんな視覚に頼れないなかでは、声色を考えるんです。これはお芝居とアフレコで共通しているところで、お芝居をしていて、すごく役立っているかなと感じます。なのでその場で求められているスケールというものを、常に読むようにしています。

ー 声優を目指している子どもたちへのアドバイスをお願いします。

梶裕貴さん:僕は中学から声優を目指していて、声優になるということを中心に学校生活やアルバイトをしてきました。それはそれで大事なことだと思うのですが、でもそれだけにならないで、いろいろなことに興味を持ってやってみるのがいいと思っています。それこそ学校生活は学生時代にしか経験できないことですし、その経験は声優という仕事に役立つことがあるかもしれません。声優になるためにこれだけしかしない、と頑なにならずに、そのときそのとき、いろいろなことに幅広く挑戦したり、体験したり、感じる感性を育てるのが一番いいかなと思っています。

ー 神田さんのように活躍したいと思っている子どもは、何から勉強したり、どのように目指したらいいですか?

神田沙也加さん:今のうちに、興味のあるものを深く知っておいた方がいいと思います。習い事も、やりたくてやっていることばかりではないと思うのですが、習ったこととか、そこでの先生との出会いやお話などで得た知識や経験は、大人になったときに“得にしかなっていない”というか。特技ってもちろん多ければ多いほどいいし、それで人のことを喜ばすことができるんですよ。それはすごくおもしろいことなんだ、ということを、今のうちにわかったうえで、好きなことに取り組んでもらえたらと思います。

インタビュー後記

「バタバタで大変ですね」と気遣ってくれた神田沙也加さん。しかし大変なのは神田沙也加さんと梶裕貴さんの方。インタビュー前は朝からイベントに出演し子どもたちとの撮影会をやったり、完成披露試写会で舞台挨拶をし、このあとまだいくつものインタビューが控えている。

「ガンバ」は、そのストーリーはほとんど覚えていないのですが、子どものころテレビアニメを観ていました。そのころと比べかなりスリムになったガンバが軽やかにスクリーン上を駆け巡るこの映画は、梶裕貴さんもおっしゃるように日本のアニメーションの底力を感じさせてくれるとともに、小さなガンバたちが強大な敵に立ち向かう姿に、子どもたちはきっと夢中になることでしょう。そして大人たちには幼い頃の気持ちを思い出させてくれる、親子で一緒に楽しめる映画になっています。

今や人気・実力ともNo.1の若手声優となった梶裕貴さん、声優はもちろん、舞台やテレビなど多方面でも活躍している神田沙也加さん。2人とも目標を設定し、その実現に向かって真摯に努力できる、その意思の力があるからこそ、今活躍しているんだなと感じました。

20150830_interview_kaji_prof梶裕貴(かじ ゆうき)

1985年9月3日生まれ。「進撃の巨人」(エレン・イェーガー役)、「ワールドトリガー」(三雲修役)、「七つの大罪」(メリオダス役)、『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』(フユニャン役)など。第7回、第8回声優アワード主演男優賞を受賞。

20150830_interview_kanda_prof神田沙也加(かんだ さやか)

1986年10月1日生まれ。「レ・ミゼラブル」他、数多くのミュージカルに出演。透明感のある歌声と演技力に定評がある。国民的大ヒットを記録したディズニー映画『アナと雪の女王』日本語吹替版でアナ役を担当し、第9回声優アワード主演女優賞を受賞。

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