
特別南極観測隊になって
五感で南極のリアルを体験!
氷、大気、海、生き物の変化を観測できる、地球環境を知るうえでとても重要な場所 “南極”。日本は70年前から毎年、南極地域観測隊を送り続け、気候変動の解明に大きく貢献してきました。
南極に行くには船で約2〜3ヵ月、そして一度行ったら短くても4ヵ月は滞在する必要があり、なかなか気軽に、誰もが行ける場所ではありません。
そんな “南極” を、“特別南極観測隊” の一員となって体験できる特別展「大南極展」が、2026年7月1日(水)から日本科学未来館で開催! 前日に行われた記者発表会・内覧会に行ってきました! 南極のリアルを五感で感じることができる参加型の展示が満載で、しかも夏休みには子どもたちが参加できる「夏休み自由研究フェス 〜おしえて! 南極観測応援隊〜」も開催! 夏休みの自由研究にもぴったりです!
夏休み自由研究フェス 〜おしえて! 南極観測応援隊〜
https://dainankyokuten.jp/special.html#fes
南極に行くチャンスは誰にでも!
どんな形で南極に関わりたいか考えよう!
記者発表会には日本科学未来館 高木啓伸副館長、橋田元氏(国立極地研究所 南極観測センター 教授、副センター長。第54次南極地域観測隊越冬隊長、62次・65次隊長)、熊谷宏靖氏(国立極地研究所 広報室長。61次隊副隊長)が登場し、「大南極展」の注目ポイントを教えてくれました。

橋田元氏は、普段は研究室から出ることのない34万年前の空気が閉じ込められた「深層アイスコア(氷の柱)」の実物を、約20年ぶりに一般公開している点が大きな見どころ、と説明。さらに3,000メートル級の掘削を行う最新ドリルや、氷の下を調べる自律型水中ロボットなど、現在進行形の観測技術を間近で見られる点も強調していました。

熊谷宏靖氏は「単に眺めるだけでなく、来場者自身が観測隊員の一員となり、貴重な実物サンプルに触れたり、ミッションに挑んだりする “参加型” である点が最大の見どころ」と、五感を使った体験が魅力と紹介。
そして夏休み期間の開催ということで「大南極展」を通して子どもたちに感じてほしいこと、親子で体験したあとに話してほしいことをお伺いすると、以下のように、子どもたち誰もが南極に行くチャンスがあること、そして “未知へのワクワク” がたくさんあると、答えてくれました。
「南極は観測隊(科学者)しか行けないイメージがありますが、科学者だけではなく、調理師、大工、エンジニアなど、南極で生活するために必要なさまざまな職種があり、たくさんの子どもたちに南極に行くチャンスがあります。そして南極や地球には、まだ誰も知らない “不思議なワクワク” がいっぱいあるので、それを解き明かす楽しさを感じてほしいですね。展示を見終わった後は、たとえば『科学は少し難しいかもしれないけれど、自分ならエンジニアやコックさんとして参加してみたい』というように、“将来、自分ならどんな形で南極という場所に関わってみたいか” を、親子で話しあってほしいですね」



観測活動から何がわかる?
南極に恐竜がいた!?
ペンギンの数で地球の「今」を知る
広い会場内では、南極における観測活動の紹介やそれに必要な道具や機器、34万年前の地球の記録が刻まれたアイスコア、南極で発見された貴重な隕石の実物、ブリザードやオーロラ体験など、南極での観測活動、南極の様子を学びながら楽しめるようになっています。氷や隕石など実物に触れられるものも多く、まさに五感で南極を体験できるようになっています。
難しそうに感じる南極での観測活動は、子どもたちにもわかりやすくていねいに紹介されていて、極寒の地でいろいろな機器やさまざまな工夫で、私たちの住む地球を調べているということがよくわかります。
では、その観測活動から何がわかったかと言うと、たとえば一時期よく聞かれた「オゾンホール」。地球を紫外線から守っているオゾン層に穴が開いているような状態ですが、これを最初に発見したのは日本の南極観測隊で、1982年に昭和基地での観測データから見つけました。1984年の学会で発表し世界に衝撃を与え、地球全体の環境を守るために世界中の人々が協力しあうきっかけをつくりました。
今回の展示では34万年前の空気を含んだ氷(アイスコア)の実物を見ることができますが、それは深さ2,499メートルから掘削されたものです。その氷の中には雪が降った当時の空気が小さな気泡として閉じ込められていて、当時の地球の空気や気温から「地球はどう変化してきたか」を知り、将来の地球の気温を予測できます。


現在ではさらに深い場所での掘削が進んでいて、2,800〜2,900メートル級の深さにまで到達しています。今後の研究者の方々の目標は、100万年前の古い氷を採取すること。そのためには、現在の掘削地点からさらに1,000メートルほど深く掘り進める必要があるそうです。

南極は世界でもっともたくさんの隕石が見つかる場所(隕石採集の聖地)であり、日本の観測隊もこれまでに約17,400個もの隕石を見つけています。そして見つかった隕石の中には、月や火星から飛んできた珍しいものもあり、宇宙の歴史を解明する手がかりになっています。



隕石以外にも、南極で見つかった岩石や化石を調べることで、数億年前の南極はアフリカやオーストラリアなどとつながった「ゴンドワナ超大陸」という巨大な大陸の一部だったことが証明されました。南極でも恐竜の化石が見つかっていて、それを裏付けています。南極の石を調べることは、地球がどうやって今の形になったのか、という大きな謎を解く鍵になっています。
そして「ペンギンセンサス」という調査を毎年続けることで、ペンギンの数の変化や繁殖の様子がわかり、生き物たちの暮らしをずっと見守ることで、南極の海や地球の環境が今どうなっているのか、その健康状態を知ることができるのです。

南極は人間がほとんど住んでいないため、地球本来の変化をダイレクトに捉えることができる場所で、「南極を知ることは、地球の過去をひもとき、未来を見通すことにつながる」のです。今回の展示では、こうした発見のプロセスを「特別南極観測隊」の一員として体験できるようになっています。
特別展「大南極展」は、2026年9月27日(日)まで日本科学未来館で開催!










