
ロボットを通して “人間とはなにか?” を考える
130点ものロボットが大集結、国内史上最大規模のロボット展!
誰もが知っているASIMO(アシモ)やPepper(ペッパー)、aibo(アイボ)などの人気ロボットをはじめ、現在研究・開発を進めているロボットを含む130点が大集結した、国内展覧会史上最大規模となるロボット展、特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」(きみロボ展)が、2022年3月18日(金)から日本科学未来館で開催! 前日に開催された内覧会に行ってきました!
【イベント紹介】特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」2022年8月31日(水)まで日本科学未来館で開催!

「ロボット」と言うと鉄腕アトムのような人型二足歩行をイメージしがちですが、いまや「ロボット」は体に装着したり遠隔で操作したり、自身のデータで分身をつくったり、形はもちろん定義や概念も多岐にわたっています。
遠隔操作をしているロボットや個人の考え方や価値観をAIによって再現したデジタルクローンは自分なのか、死後にロボットとして復活したらそれは自分なのか、そしてそれを望むのか。
特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」では、自らのロボットに対する定義や概念が壊され広がるとともに、「人間とはなにか?」「どこまでが人間でどこからがロボットか?」、そして近い将来訪れるであろうロボットとの共生、人間とロボットの境界や融合など、ロボットのあり方に一歩も二歩も踏み込み、“こころ” や “いのち” についても考えさせられる特別展です。

ロボットに “こころ” はあるのか?
子どもたちとロボットと共生する未来社会を考える
ロボットが “こころ” やそれに似た感情を持つ可能性、必要性についてはわかりませんが、手塚治虫先生の鉄腕アトムは人間の心の善悪を判断することができたし、石ノ森章太郎先生の描いた『人造人間キカイダー』では、善悪を判断できる “良心回路(ジェミニ)” を搭載したがためにキカイダーは命令と善の心の間で苦しむことになりました。
2014年に公開されたスパイク・ジョーンズ監督の映画『her 世界でひとつの彼女』は、iPhoneのsiriのようなスマートフォンの音声アシスタントに恋をしてしまう男の話です。自らを振り返っても、クルマやコンピュータに “こころ” に似たものを見出していることがあります。お掃除ロボットに対してそういう感情を持っている方もいるでしょう。
人間相手でも、相手の “こころ” は、こちらの一方的な考えや思い、時として希望であり、その真意はわかりません。寄り添ってくれたり、円滑にコミュニケーションができたり、役に立ってくれると好意を抱く。自分以外の “こころ” は、実は一方的に、都合よくつくり出すものなのかもしれません。だとすると人間が求めるロボットに必要な思いやりにも似た “こころ” は、こちらの望む答えや行動をディープラーニングなどから最適解を導き出すデータ解析力と言えるのかもしれません。

またこちらも2014年の作品ですが、クリストファー・ノーラン製作総指揮、ジョニー・デップ主演の映画『トランセンデンス』は、死の間際に感情を含むすべての脳データを人工知能へアップロードした天才科学者の暴走を描いたSF作品です。特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」を見ていると、さまざまな漫画、映画などの物語を思い出し、数年、数十年の時を経て、物語の中のものが目の前に具現化されていることに感慨深いものがありました。

「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」とはフランスの作家ジュール・ヴェルヌの言葉ですが、ロボットや医療の進化を見ていると、人間の素晴らしさや可能性を実感します。特にさまざまな障害をサポートするAIやロボットの進化は、そこに取り組んでいる方々への尊敬の念と、少しでも早い実現を願わずにいられません。
しかしその一方で、人間は戦争のように賢明とは思えない行動もとってしまいます。2045年と言われているシンギュラリティ(AIが人類の知能を超える技術的特異点)を迎えたのち、映画『ターミネーター』のような人類 vs ロボットの戦争が起こってしまうのか、それとも映画『マトリックス』のように気づかぬうちに人類は支配されてしまうのか、はたまた映画『レディ・プレイヤー1』のようにメタバースに逃げ込んでしまうのか。
ロボットやAIの進化が多くの人々の幸せにつながることを願っていますが、正義や幸せは人それぞれ。そこを擦り合わせていくことこそ、人間にしかできないことなのかもしれません。
「きみロボ」はテーマとなるロボットやAI、こころ、いのちはもちろん、漫画や小説、映画、そしてこれからの未来について、子どもとたくさんの話ができ、一緒に考えることができる特別展です。子どもたちが大人になる頃のロボットとの共生がどのようなものになるかは、まさに今、このタイミングで多くの人が考えはじめる必要があるのかもしれません。ぜひ、いろいろな話をしてみてください!
特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」は、2022年8月31日(水)まで日本科学未来館で開催!



























