お母さん方のスキルを最大限活かした働き方を提案!

ブリタニカ・ジャパン「ママ活部」リーダー・阿部麻衣さんインタビュー!

お母さん方のスキルを最大限活かした働き方を提案!ブリタニカ・ジャパン「ママ活部」阿部麻衣さん
ブリタニカ・ジャパン株式会社で、子育てと仕事の両立を支援する「ママ活部」を率いる阿部麻衣さん。ご自身ももうすぐ5歳になるお子さんのお母さん
ブリタニカ・ジャパン株式会社の阿部麻衣さんは、子育てをしながら働くお母さん。2014年に同社で英語派遣講師の仕事をはじめ、今では管理職として、同社で働くたくさんのお母さん方のグループ「ママ活部」を率いています。阿部さんの働き方、「ママ活部」とは何か、そして同社のお母さんを活用した仕事のあり方は、仕事をしたい子育て中の方々の参考になるかと、お話をうかがいました。(インタビュー:2017年1月30日(月) / TEXT:キッズイベント 高木秀明 PHOTO:大久保景)

お母さんたちに活躍してほしい!
同じ立場の「ママ活部」で働きやすい環境を用意

ー ブリタニカ・ジャパンの幼児英語プログラム「アンジー&トニー」を使って、子どもたちに英語を教える講師としてアルバイトからはじめられましたが、今の阿部さんのお仕事について教えていただけますか?

今はチーフトレーナーという立場で、自分が直接子どもたちに英語を教えるというよりも、幼稚園や保育園に行って英語を教えている弊社の先生方のトレーニングやスケジュール管理、そして採用に携わっています。

最近は先生の人数も増えてきて、ひとりですべての先生のトレーニングをするのが難しくなってきたので、私のようにトレーニングをできるトレーナーの養成も行なっています。

ー 今、先生は何名くらいいらっしゃるんですか?

25人ですね(2017年1月30日現在)。ほとんどが主婦の方です。

お母さん方のスキルを最大限活かした働き方を提案!ブリタニカ・ジャパン「ママ活部」阿部麻衣さん
トレーナーとして「ママ活部」の先生方に「アンジー&トニー」の歌の振り付けを教えるのも、阿部さんのお仕事のひとつ

ー ブリタニカ・ジャパンでは2016年3月に女性の子育てと仕事の両立を支援する「ママ活部」を発足させています。その先生方が「ママ活部」のメンバーですか?

そうです。私は最初アルバイトの英語講師として午前中の3時間だけ、幼稚園で「アンジー&トニー」を使って子どもたちに英語を教えていました。講師をもっと増やしたいね、ということになって募集をしたところ、私のように“午前中なら働ける”というお母さん方がたくさん集まったんです。

しかもみなさん海外に15年住んでいたとか、帰国子女とか、とにかく経歴がすごい! 高学歴で会社でもバリバリ働いていたけど、子育てと仕事の両立ができないなどの理由で会社を辞めているんです。こんなに能力のある方が活躍できないのはもったいないと思って、一人ひとりの生活に合わせて、また幼稚園や保育園などからの突然の呼び出しにも対応できるよう「ママ活部」をつくり、同じ立場のメンバーが協力し合って、それぞれが働きやすい職場環境、体制を整えました。

ー すごい能力の方々が働けずにいるんですね。「キッズイベント」も手伝ってほしいな(笑)。

そうなんです。お母さん方のスキルは本当にすごくて、英語はもちろん、なかにはWEBデザイナーとして活躍されていた方もいて、午前中は英語の先生として、夜、お子さんが寝たあとなど、ご自身の予定にあわせてWEBデザイナーとして弊社のホームページもつくっていただいたり、他にも営業をしてくださる方、文章が得意な方、前職でイベントの企画をされていた方など、英語以外のスキルも活かして活躍してもらっています。

社内で「こんなことができないかな?」ということが持ち上がると、私はあの先生とこの先生が協力すればできるかなというのを考えてお願いしたり、幼稚園や保育園での英語の講師としてのお仕事も、お母さん方は、朝、とにかく忙しい。お子さんを送り出して、この幼稚園に行ってもらうには、この先生ならこの時間の電車に乗れるとか、そこまで把握しています。

でもお子さんの進学や進級にともなって予定も変わっていくので、この先生がこのスケジュールで動けるのはあと1年とか、この4月からお子さんは小学生だから、午後は◯時くらいまでは大丈夫かな、とか、そういうことも考えながら相談したり、お願いしたりしています。

お母さん方のスキルを最大限活かした働き方を提案!ブリタニカ・ジャパン「ママ活部」阿部麻衣さん
「とにかくみなさんすごい経歴で、私はこの先生とこの先生なら“こんなことができる!”って相談して、あとはお任せしちゃいます」と、阿部さん

ー 先生方は会社的にはどのような立場になるんですか?

講師として登録いただき、ご都合のよい時間のお仕事を紹介させていただいています。お子さんもいつまでも幼児ではないので、時期がくれば私のようにフルタイム職務へのシフトを考える先生もいらっしゃるかなと思っています。今のように講師の間に当社商品や社風を知ったうえでフルタイム勤務へソフトランディングができる環境は、会社にとっても働く側にとってもリスクを軽減できるいい方法だと思っています。

ー 阿部さんのお子さんはもうすぐ5歳。今の阿部さんの働き方は?

弊社は9時30分〜17時30分が就業時間です。9時じゃなくて9時30分、18時じゃなくて17時30分、この30分がとても助かります。最初はアルバイトで午前中だけお仕事をさせてもらっていたのですが、週3回フルで働きませんか、というお話をいただいたとき、この時間帯ならできるかなと思いました。

お母さん方のスキルを最大限活かした働き方を提案!ブリタニカ・ジャパン「ママ活部」阿部麻衣さん
「ママ活部」では英語の先生のほか、「アンジー&トニー」の企画開発、運営も行なっている

4月から新しく「アンジー&トニー おやこdeえいご」がスタート!
親御さんが一番の英語の先生、親子で学び、使う英語の楽しさを!

ー 園以外でも「Super 2nd STREET(スーパーセカンドストリート)大宮日進店」では毎週水曜日に子どもたちに英語を教えていたり、今後、そのような施設は増えていきますか?

2017年4月から、幼児向け英語スクール「アンジー&トニー おやこdeえいご」をはじめます。商業施設や店舗の空きスペースをお借りして開講する親子で参加する英語スクールで、まずは、50ヵ所での開講を目指しています。

親子参加は親御さんにとって少々ハードルが高いかもしれませんが、これは「アンジー&トニー」に共通する、“お子さんに英語を教えるのは身近な人が一番”という考えからです。スクールで一緒に学び、家でもやっていただきたいんです。

このスクールは2歳から小学校低学年までの親子10組程度を対象に行ないます。子育てしているママにとって、子どもを誰かに預けたいという気持ちは、私も娘を育てているのでよくわかります。でも、この時期に一緒に英語を学ぶことはとても大きな意味があります。一緒に勉強して、それを家でも楽しんで、歌って踊ってほしい。幼児期は短く、この時期は一緒に勉強しやすいですから。

アンジー&トニー」は幼児対象のコンテンツなので、そんなに難しい英語を使うわけではありませんが、シリーズ1〜3まで終われば、そこそこ難しいことができるようになります。“Go straight. and turn right.” と外国人の方に道案内したり、旅行のときによく使う英語を話す、理解するくらいの実力は身に付くと思います。

【関連インタビュー】「アンジー&トニー」に込めた想い、幼児英語プログラム「アンジー&トニー」監修・小田眞幸先生インタビュー!

お母さん方のスキルを最大限活かした働き方を提案!ブリタニカ・ジャパン「ママ活部」阿部麻衣さん
土曜日のクラスなどお父さんが参加できるときは、お子さんと一緒に「アンジー&トニー おやこdeえいご」をやっていただければ、お子さんが「こんなに英語ができるんだ!」って驚いて、一緒に勉強をするのが楽しくなると思います。親子のコミュニケーションも増えますよ
お母さん方のスキルを最大限活かした働き方を提案!ブリタニカ・ジャパン「ママ活部」阿部麻衣さん
英語を教えるときに必要なのは、英語力だけではありません。園の先生や親後さんなど子どもの特徴を知っている身近な人が一番!

英語が苦手だった学生時代
英語力は低いけど、先生にも英語を教える英語の先生!?

ー お子さんが生まれてからブリタニカ・ジャパンで英語講師のアルバイトをはじめたそうですが、阿部さんがこの仕事をするようになったきっかけは?

小さな頃の夢が幼稚園の先生で、小〜中学生のころ、だんだんとキャビンアテンダントもいいなと思いはじめて。でも私はピアノもできないし絵も苦手なので幼稚園の先生は難しい。それでキャビンアテンダントの道を選んだんです。子どもが生まれて退職しましたが、何か仕事はしたい。“子どもに英語を教えてみようかな?”と思ったらブリタニカ・ジャパンで英語講師を募集しているのを見つけたので、応募しました。

ー キャビンアテンダントを目指すくらいなので、英語は子どもの頃から得意だったんですか?

苦手でした。でもキャビンアテンダントに英語は必須なので、高校2年生のとき、このままじゃまずいと思ってオーストラリアに1年間、交換留学生として行きました。英語なんてまったくできないレベルでしたが、運よく日本人がひとりもいない学校で、何かあったらこの先生に相談してね、と紹介してもらった先生もまったく日本語ができなくて、どうやって相談したらいいんだろうって(笑)。でもそれがある意味ラッキーで、やらざるを得なくて1年で日常会話くらいまではなんとかできるようになったという感じですね。日本に帰って来てからは、英会話学校に通って英語力を落とさないようにして、キャビンアテンダントになってからは、お客さまとお話することで、実際に英語を使いながら学びました。

「アンジー&トニー」を監修した小田眞幸先生もおっしゃっていますが、子どもに英語を教えるのは英語力ではないんです。だから、身近な幼稚園、保育園の先生方、お母さん、お父さんが、お子さんと一緒に「アンジー&トニー」をやって、遊びながら学んでいくのが一番いいんですよね。

英語のスキルが高い方であっても、最初は子どもたちに溶け込めなかったり、たくさんの子どもたちに見られることに慣れていなくて思わず早口になってしまったり、声が小さくなったり、子どもたちの“楽しい”という気持ちを引き出せない方はいます。もちろんやっていくうちに学んだり慣れたりするものですが、私はこうやった方が子どもは喜ぶよとか、わかりやすいよとか、このセンテンスは長いから、ここでわけると子どもは覚えやすいとか、今まで培った経験を伝えて、先生方が少しでも早く慣れるお手伝いをしています。

【関連インタビュー】「アンジー&トニー」に込めた想い、幼児英語プログラム「アンジー&トニー」監修・小田眞幸先生インタビュー!

お母さん方のスキルを最大限活かした働き方を提案!ブリタニカ・ジャパン「ママ活部」阿部麻衣さん
子どもたちの“楽しい”をどうやったら引き出せるか、それを考えて先生方に伝えています

現場で実感! 園の先生が英語を教えるメリット!

ー 英語のネイティブスピーカーではなく、幼稚園、保育園の先生が英語を教えるメリットは、実際の現場から感じますか?

幼稚園や保育園の先生はやっぱり子どもを惹き付けるのが上手です。紙芝居やカードを見せるときも必ずプラスαがあって、チラチラさせてみたり、クルクルしてみたり、わざと逆さまにして「反対!」って子どもたちに言わせたり、こうやると子どもたちが喜ぶということをよく知っています。

それに園によっても特色があって、元気のいいお子さんの多い園など、その園にあったやり方を一番わかっているのは先生です。外部の講師も園の特色に合わせていくことはできますが、やっぱり現場の先生の方が、子どもも安心して話を聞けますよね。

私の娘も保育園にいつもと違う先生がいると緊張しています。お子さんによっては新しい先生を喜ぶ子もいますが、月齢が下がれば下がるほど緊張するようです。自分を発揮しずらくなりますし、担任の先生が英語を教えてくれるのは、子どもにとってはとても自然で、いいことだと思っています。

ー 先生方は、英語を話せない自分が子どもたちに英語を教えることに抵抗はありませんか?

英語に自信がないと恥ずかしがったり、「いやいや、私が英語なんて」という先生はもちろんいらっしゃいます。でも「アンジー&トニー」には歌もあるので、歌ってもらうと大丈夫になっちゃうことがほとんどですね。

子どもたちにとっては楽しくできることが一番で、楽しければ続けることができます。そして、こうやったら盛り上がった、子どもたちから提案があったとオリジナルの振り付けも加わって、園独自の「アンジー&トニー」ができていくことも多いです。

お母さん方のスキルを最大限活かした働き方を提案!ブリタニカ・ジャパン「ママ活部」阿部麻衣さん
幼稚園や保育園の先生に教えていただくこともよくあります。3歳になったばかりくらいでは数字の3を3つと理解できる子は全員じゃないから、3の横にドットを3つつけて、one、two、threeと言えばわかりやすい、とか

気になる! 英語の先生の自分の子どもへの英語教育!

ー 英語の先生が自分のお子さんにどのような英語教育をしているかがとても気になるのですが、娘さんにはどんな英語の勉強を?

朝の挨拶は英語です。“Good morning.” というと、英語で返してくれます。あとは「アンジー&トニー」のDVDを観ています。DVDは3、4、5歳用ですが、うちの先生方もお子さんに観せている方はけっこういらっしゃいます。収録曲は覚えるべきキーフレーズがくり返しでてきて、自然と覚えられるようになっています。たとえば、ある歌で “Here you are. Thank you.” を覚えることができるので、お菓子を渡すときに “Here you are.” と言えば “Thank you.” と返事をしてくれたり、使い方もわかっていますね。

誕生日の歌では英語での月の言い方を覚えられますので、本人も嬉しくなって「ママはJulyでパパはSeptemberだよね」と、誕生月も踊りながら教えてくれます。私は英語のネイティブスピーカーでもバイリンガルでもなく日本語で話すことが中心なので、娘もフルセンテンスを英語で話せるわけではありませんが、DVDで単語やフレーズを覚えて、それを生活の中で使うようにしています。

注意しているのは、押し付け過ぎない、やり過ぎないことですね。子どもが小さなころから外国のアニメは英語で観せていましたが、日本語がわかるようになると、だんだんと日本語で観たいと言うようになってきます。そういうときは、英語で聴いていた方がいいだろうなと思いつつも、日本語に切り替えます。全編英語だと意味がわからなくてつまらなくなってしまいますが、「アンジー&トニー」は短い文章が英語と日本語で交互に進むので、ママと一緒に「今日のフレーズ」だけ英語でやる、これくらいでもいいのかな、と改めて思いました。

お母さん方のスキルを最大限活かした働き方を提案!ブリタニカ・ジャパン「ママ活部」阿部麻衣さん
「自転車で保育園に行っているので、そのときにふたりで歌ってます」と阿部さん。高速道路の下を走るので、少し大きな声を出しても大丈夫なんだそうです。また、アルバイトで講師をはじめた頃は阿部さんも歌を覚えるのに必死で、お子さんと歌いながら覚えたそう

「ママ活部」でお母さん方の活躍の場をどんどん広げたい!

ー 今後「ママ活部」をどのように発展させていきたいですか? そして阿部さんの夢は?

今のママさんたちが無理なく、お子さんの成長にあわせてどんどん活躍の場を広げられるようにしていきたいですね。また「おやこdeえいご」など、英語を教える場は増えているので、「ママ活部」の人数を増やして、大きくしていきたい。「おやこ de えいご」に参加したお母さんが「ママ活部」のメンバーになってくれたりしたら、素敵ですね。「おやこ de えいご」では親御さんと直接話す機会も増えるので、生の声をたくさん聞いて、日本の子どもたちにもっともっと“英語を楽しい”って思ってもらえるようにしていけたらなと思っています。

お母さん方のスキルを最大限活かした働き方を提案!ブリタニカ・ジャパン「ママ活部」阿部麻衣さん
2016年9月に開催した「ちょっぴりはやいハロウィンパーティー」では、英語を話すのが好きなMaiとして出演

インタビュー後記

録音したインタビューを聞いていて、阿部さんの声がとても聞きやすいことに気が付きました。子どもはもちろん、人に何かを伝えるとき、声や話し方ってとても重要だと、改めて気が付かされました。もちろん、一朝一夕で身に付くものではないんでしょうけど。

「ママ活部」のメンバーは現在25名。30代〜50代のお母さんがメインで、発足当初はお母さんだけでしたが、今では20代の大学生からリタイア後に経験を生かしている講師もいます。さまざまな年齢、経験を持つ方が集まることで、できることも増え、「ママ活部」の活躍の場はさらに広くなりそうです。

もちろんその一方で、いろいろな人の意見をまとめる阿部さんは大変になることもありそうです。しかし「ママ活部のメンバーに仕事をお願いすると、みなさんこちらの思っている倍くらいのことをしてくれる」と阿部さん。それは、やりがいのある仕事と働きやすい環境、そして阿部さんの人柄なんだろうなと感じました。

そして「ママ活部」のパワーをとても羨ましく思った「キッズイベント」でした。

お母さん方のスキルを最大限活かした働き方を提案!ブリタニカ・ジャパン「ママ活部」阿部麻衣さん阿部麻衣(あべまい)

ブリタニカ・ジャパン株式会社 幼児英語教育事業部 チーフトレーナー。2015年4月入社。4歳の娘を持つ母親であり、自ら率先して育児と仕事の両立を実現しながら、スタッフや講師の指導にあたる。元国際線キャビンアテンダントだった経験を生かし、きめ細かな心配りと、常にスタッフや周囲の環境を尊重した対応でリーダーを務めている。

ブリタニカ・ジャパン株式会社