
長年の夢? 40年ぶりに
カマキリの飼育に再挑戦!
生き物しか食べないカマキリの飼育は難しいと言われますが、以前、小学生がヨーグルトでカマキリを育てたという記事を読み、いつか試してみたいと思っていました。その小学生はカマリキはタンパク質を摂取すれば生きた餌を与えなくても飼育できると考えたようで、ものすごい発想ですね。
ちなみにアゲハチョウ(ナミアゲハ)はスポーツドリンクで飼育することができ、これも思いついた人はすごい! しかも与え方もなかなか驚きです。こちらは以前挑戦してみたので、ぜひご覧ください。
餌の生き物を捕まえるのが大変なので
カマキリをヨーグルトと鶏肉で育てる!
1980年代くらいまでは都心の公園などでもよくカマキリを見ることができました。木の枝やブロック塀に小さなわたあめみたいなカマキリの卵鞘(らんしょう:卵の固まり)もよく見つけました。それを持って帰って飼育ケースに入れておくと、オオカマキリの場合、春ごろに孵化し、卵鞘から数百匹の幼虫が数珠つなぎになって “うじゃうじゃ” と出てきます。
ここまでは卵鞘を飼育ケースに入れてほったらかしておけばいいので、やったことのある方は多いかもしれません。しかし、ここから育てようとすると、なかなか大変です。
体長1センチほどの糸のように細いカマキリの幼虫が数百匹、この小さな幼虫に何を与えればいいのか。そんなことを考えているうちに共食いがはじまり、だんだん数が少なくなるとともに生き残ったカマキリは大きくなっていきます。まさに弱肉強食。
しかし子どもの頃は、そこから育てていくことができませんでした。毎日、餌となる生き物を捕まえるのは大変なことでしたし、秋になるにつれて小さな昆虫もだんだんといなくなっていきます。
ずっと心残りだったカマキリの飼育。2021年4月に知り合いから孵化したばかりの、おそらくオオカマキリの幼虫を譲り受け、40数年ほどの時を経て再び挑戦することにしました。しかも今回はヨーグルトという強い味方がいるとともに、飼育している間に新たなアイデア、タンパク質なら、筋トレ民にはお馴染みの “鶏肉(鶏むね肉)” でいいんじゃない? という案が浮かび試してみました!
最長で約10ヵ月の飼育
交尾、産卵には至らず
ヨーグルト、鶏肉ともにオオカマキリはよく食べ、最終的には4匹が残り、共食いしないようそれぞれの飼育ケースに入れて育てました。交尾をして卵を産み次世代へと命をつなげたかったのですが、残念ながらそれはうまくいきませんでした。また機会があれば、挑戦したいですね。
なお、この記事は2021年4月〜2022年1月に、おそらくオオカマキリを育てた飼育記録です。写真のカマキリは同じ個体とはかぎりません。餌はヨーグルトと鶏肉だけでなく、捕まえられたときはコバエ(ショウジョウバエもしくはキノコバエ)やハエなどの生き餌も与えていましたが、最後の方は季節は冬となり生きた餌は与えられなくなりました。また、屋内のみですべてのカマキリを飼育し、国内外来種※に配慮し屋外には逃していません。記事は2025年9月15日(月)に執筆・公開。
国内外来種
もともとその地域には生息していなかった生物が、人によってその地域に持ち込まれ定着すること。「国内外来種」は国外から持ち込まれた「外来種」と区別して用いられる言葉です。また、その地域に同種が生息していたとしても、異なる地域の同種個体が持ち込まれることも「国内外来種」と言います。異なる地域の同種個体と交雑することで、その地域特有の遺伝子が失われる可能性があるためです。その地域固有の遺伝子を持った生物を守るため、地域外の同種個体を安易に野外に放さないことは、とても大切なことです。

























