
2021年から日本各地を巡回している
「サンリオ展」が東京・六本木で
パワーアップしてファイナル!
5人組ダンスボーカルグループ「M!LK(ミルク)」の曽野舜太さんと吉田仁人さんがスペシャルゲストとして登場した「2026年サンリオキャラクター大賞」の開幕イベントに続き、2026年6月21日(日)まで森アーツセンターギャラリーで開催する「サンリオ展 FINAL ver. ニッポンのカワイイ文化60年史」の内覧会にも行ってきました。
「サンリオ展」はサンリオ創業60年を記念して2021年から日本各地を巡回している展覧会で、新たなコンテンツを携えてパワーアップし、森アーツセンターギャラリーでファイナルを迎えます。
サンリオの60年を超える歴史を辿るとともに、「カワイイ」文化がどのように成長していったのか、そしてその根底にある「サンリオの想い」を、貴重なデザインや商品とともに深く紹介しています。サンリオキャラクターのファンなら、ぜひ一度は訪れたい展覧会でしょう。

「カワイイ」は世界中の人が
仲良くなるための平和のツール
内覧会では「サンリオ展」の監修者であり、機関紙「いちご新聞」の元編集長でもあるサンリオの高桑秀樹氏がギャラリートークを開催。サンリオファンならご存じかもしれませんが、キャラクター誕生についてのお話やファンとの交流、そしてサンリオがなぜ「カワイイ」にこだわるのか、そこには争いのない平和な世界への願いが込められているなど、とても良いお話だったので、今回のレポートはその様子をメインにお伝えします。
会場はchapter 1〜chapter 7で構成されているので、順に見ていきましょう!

アンパンマンとハローキティ
実は同じルーツ!?
chapter 1:カワイイのはじまり
サンリオは最初から「ハローキティ」がいたわけではなく、創業から約15年間は別の「カワイイ」を集めていました。
「カワイイ」に注目したのは、「センスがいい」や「カッコいい」という価値観は時代や国、文化によって異なり、それをビジネスの核にするとターゲットが限定されたり、流行に左右されてしまいます。
一方で「カワイイ」という感情は、子猫を見たときなどに、日本人も海外の人も、そして昔の人も今の人も、誰もが共通して抱く感情です。
この「カワイイ」を「時代不問・万国共通の不変的な価値観」であると考えました。そしてカワイイものに触れると、人は優しい気持ちや思いやりの心を持つことができます。それが「世界中みんな仲良くなってほしい」というサンリオの企業理念(哲学)を実現するための最高のツールになると確信したのです。
1960年代、食器やノートなどの日用品にイチゴの柄をつけたことがキャラクタービジネスのはじまりです。イチゴは成功しましたが、サクランボは失敗するなど、試行錯誤の歴史がありました。

さらに当時は水森亜土さんや、今では「アンパンマン」で有名なやなせたかしさんのデザインを借りて商品を展開しており、実はスヌーピーを日本に最初期に持ってきたのもサンリオでした。
やなせたかしさんは当初はひとりのイラストレーターとしてサンリオ(当時は山梨シルクセンター)とのお付き合いでしたが、やなせたかしさんが個人的に書いていた詩を見たサンリオの創業者・辻信太郎氏が、その叙情的な世界観に深く感動してふたりは意気投合。「若い世代に美しい心を伝えていきたい」という想いが共通していたため、やなせたかしさんの初めての詩集はサンリオから出版されました。
やなせたかしさんはサンリオが伝えたい「思想的・哲学的なこと」を代弁してくれた存在でした。そのため、アンパンマンとハローキティのルーツは実は一緒なんです。サンリオの「カワイイ」の根底にある哲学を共有し、ともに形づくってきた非常に重要な方なのです。




今に続くキャラクターが誕生した70年代
chapter 2:オリジナルキャラクターの誕生
サンリオ初期を代表するキャラクター「パティ&ジミー」(特に三つ編みの女の子・パティ)は、「Love is」というシリーズの単なるデザインのひとつとして生まれましたが、作者が「Love is a Little Wish(愛は小さな願い)」といった文章を添えていくうちにこの子に感情移入していき、一緒に話しあえるような「ひとりの女の子」としての形を帯びていったのが、サンリオ流のキャラクターづくりのはじまりでした。
1970年代はサンリオが他社のキャラクターライセンスから脱却し、自社オリジナルのキャラクターを生み出していく重要な転換点で、ハローキティは1974年にデビュー、マイメロディは1975年の社内公募でのデビューなど、パティ&ジミーに続きオリジナルキャラクターが次々と誕生します。キャラクターに命(性格や物語)を吹き込むことで、現在に続く人気キャラクターを生みだして行きます。





時代にあわせて変化できるデザイン
chapter 3:ハローキティ人気のヒミツ
キティが50年以上愛される秘密は「変化すること」にあります。ファンの成長にあわせ、あえて物語性(設定)を持たせないことで、流行のデザインを柔軟に取り込んできました。
たとえば1980年代には流行のパステルカラーにあわせるため、シンボルだった「黒い縁取り線」をなくすという、普通のキャラクターではできない大胆な変更も行いました。
単純なデザインゆえにアイコン化しやすく、大人が持てる「ワンポイントデザイン」の商品展開が可能になったことが、大人になってもファンが離れない仕組みとなりました。
そしてそれを可能にしたのが、サンリオ独自の “企業内キャラクター” という強み。漫画のように原作者が存在せず、また物語を持たせないことで世界観もありません。時代にあわせてデザインを自由に変化させることができるのです。





読者の応援でデビューできたキャラクター
chapter 4:ファンと一緒に「カワイイ」を育てる
テレビ広告に頼らずサンリオショップを通じて地道にファンを増やしてきました。ショップでもらえる「プレミアム(マスコット)」もその一環です。
またファンとダイレクトにつながり一緒に「カワイイ」を育てています。たとえばデビュー当時はあまり人気のなかった「あひるのペックル」は、機関紙「いちご新聞」の表紙を飾ったことをきっかけに「この子(ペックル)は何?」「いつ商品が出るの?」という熱いハガキが殺到し、この声を受けて積極的に商品展開を行った結果、ペックルは大人気キャラクターへと育っていきました。
1980年代に誕生したハンギョドンも、「いちご新聞」の誌面で日の目を見ていないキャラクターを紹介する「この子たちを助けてあげて」という救済企画のような特集から正式なデビューにつながりました。



懐かしいがいっぱい!
昔使っていたキャラクター商品に出会える!
chapter 5:キャラクター大集合!
サンリオが生み出した450以上のキャラクターのうち、本展では約200キャラクターが登場します。グッズの展示数は1500点におよび、自分が昔使っていた商品に出会える構成になっています。
さらに今回のFINAL版の新要素として、クロミ、ぐでたま、はなまるおばけの展示が追加され、天井からキャラクターがぶら下がる演出もこの会場ならではです。


2026年5月24日まで投票受付中!
chapter 6:サンリオキャラクター大賞
コラボレーションコーナー
2026年で41回目を迎える「サンリオキャラクター大賞」は、単にキャラクターの人気の順位を決めるだけでなく、まだ知らないキャラクターを知っていただくための新たな出会いの場でもあります。そのため今回は「100問クイズ」や、203キャラクターの中から自分の推しを見つけるデジタルコンテンツを用意しました。
「2026年サンリオキャラクター大賞」は4月9日(木)から投票がスタート! 2026年5月24日まで投票受付中!



「カワイイ」は「仲良くするためのツール」
chapter 7:サンリオからのメッセージ
60年以上にわたり「カワイイ」を生み出し続きているサンリオ。創業者・辻信太郎氏は山梨で大空襲に遭うという凄惨な戦争体があり、「戦争をなくすために何ができるか」を考え抜いた末、「一人ひとりが仲良くなること」が唯一の道であるという結論に達しました。
小さな仲良しの輪が広がることで、やがて世界中が仲良くなり、戦争のない世の中をつくることができる。そしてその「仲良くするためのツール」として選ばれたのが「カワイイ」です。カワイイものに触れると、人は自然と名やかで優しい気持ちになれるからです。
「カワイイ」を通じて人々を感動させ、世界中が仲良くなるという理念は、創業から60年以上経った今も、そしてこれからも変わることのないサンリオの根幹です。サンリオのキャラクターには平和への願いが込められているのです。

「カワイイ」を日常生活の「思いやり」へ
サンリオから親子へ贈るメッセージ
『キッズイベント』が高桑秀樹さんに「サンリオ展を親子で見て、子どもたちにはどんなことを感じてほしいか、そして親子でどんな話をしてほしいか」をお伺いしたところ、「どんな些細なことでもいいから親子で会話をしていただければと思います。そしてカワイイキャラクターを見るだけで終わるのではなく、その優しい気持ちを日常生活に持ち帰り、まわりの人に思いやりを持って接してほしいですね」とメッセージをくれました。
展示の鑑賞を楽しむのはもちろん、帰り道に親子で『みんなに優しくできるかな?』なんて話しをするのもいいですね。
そして先日の『マンガローグ:火の鳥』(原作:手塚治虫)の取材でも感じましたが、偉大な創作者たちの根底には、常に “平和への切実な願い” があるのですね。権力や争いではなく、マンガやカワイイという “文化 “で世界を優しさで包もうとしたサンリオの創業者の辻信太郎氏や手塚治虫氏の哲学は、今の時代にこそ私たちが受け取り、次の世代へとつないでいくべきものだと感じました。
「サンリオ展 FINAL ver. ニッポンのカワイイ文化60年史」は、2026年6月21日(日)まで森アーツセンターギャラリーで開催!






