
進化ってなんだろう?
恐竜から身近な生き物まで
さまざまな進化を紹介!
港区立みなと科学館では2025冬の企画展「進化のフシギ~変わり続ける生きものたち~」を2025年12月10日(水)〜2026年2月23日(月・祝)に開催! ワークショップや専門家による講義も実施!
長い地球の歴史において、生き物は環境との関わりの中で姿やくらし方を変え、今日まで進化してきました。企画展「進化のフシギ~変わり続ける生きものたち~」では、恐竜から鳥へと続く大進化や、身近な生き物が環境に応じて見せる小さな進化など、さまざまな進化の姿を紹介します。
会場では全長約6メートルのティラノサウルス模型が来場者を迎えます。その迫力ある姿は、太古の生き物の世界を想像させ、進化の歴史に思いを巡らせるきっかけとなります。
展示では、多様な進化のしくみを実物大模型や標本等を通してわかりやすく紹介します。また、人がくらす都市の中で、生きものがどのように環境に適応し、進化しているのかにも注目します。
会期中は関連イベントも多数開催予定です。子どもから大人まで、「生き物がどのようにしてこれほど長い間生き続けてきたのか」について考え、そのしくみと不思議を発見し「進化のフシギ」を体感できる冬の企画展です。
展示構成
冬の企画展「進化のフシギ~変わり続ける生きものたち~」は、「進化ってなんだろう」「古生物の進化の道すじ」「自然環境に合わせた進化」「人と進化のかかわり」「進化を想像してみよう」の5つの章で構成。
1章「進化ってなんだろう」
長い地球の歴史の中で、生きものは環境との関わりの中で特徴(形質)を少しずつ変化させ、多様な姿へと進化してきました。本章では「進化」と「適応」の基本的な概要について紹介し、生きものがどのように姿を変えながら生き続けてきたのか、JT生命誌研究館による作品「生命誌から生まれた世界観」を通して解説します。

2章「古生物の進化の道すじ」
進化の代表! 恐竜と鳥を比べてみよう
長い時間をかけて種が大きく変化する、恐竜から現生の鳥への大進化の代表例を、実物大模型や化石レプリカ、はく製標本によって紹介します。恐竜から鳥への進化の中間点として始祖鳥の化石レプリカも展示します。

中央:始祖鳥化石レプリカ ©国立科学博物館
右:鳥のはく製標本 ©国立科学博物館
古生物たちの大進化
恐竜以外にも、長い時間をかけて進化してきた古生物は数多く存在します。小型化したものや一部の器官が退化した例として、メガロドンとホホジロザメの歯、ウミサソリとサソリ、アンモナイト・ベレムナイトとイカなど、化石種と現生種の実物化石、化石レプリカ、現生の標本などを並べて紹介します。古生物が進化の過程でどのように姿を変えてきたのか、化石と現代の生きものを比較しながら、そのつながりをたどります。

左:ウミサソリ化石レプリカ ©国立科学博物館
右:サソリ標本 ©国立科学博物館
ずっとこのままが良い? 同じ姿の生きものたち
長い年月をかけて進化し、姿を変えて生きていく生きものに対して、「生きた化石」とも呼ばれ、あまり姿を変えずに現代も生き続ける生きものも存在します。その一例としてシーラカンス、イチョウ、メタセコイヤについて、模型、実物、映像を用いて紹介します。

3章「自然環境に合わせた進化」
違うのにそっくり!?「収斂(しゅうれん)進化」って何だろう
同じ場所でくらしている生きものには、違う種であっても形や能力が似ている例があります。たとえば、海でくらす生きものは、泳ぐのに適した流線型の体とヒレを持つようになる点で共通しており、ミクソサウルスやスナメリがその例です。また、ヤドカリの仲間であるタラバガニは、浅瀬からより深い海へ進出する過程でカニのような姿へと進化してきました。映像資料や模型、標本を通して、異なる種がどうしてそっくりになっていったのかを紹介します。

ミクソサウルス化石レプリカ ©東京都市大学 古生物学研究室

左:ヤドカリ標本 ©東京海洋大学
右:タラバガニ標本 ©東京海洋大学
敵? 仲良し? かかわりあってともに進化する「共進化」
生きもの同士は関わりあう中で共に進化することがあります。その一例として、まず捕食者と獲物が互いに能力を高めあってきたライオンとシマウマの関係を紹介します。また、メガテリウム(巨大なナマケモノ)に食べられることの多かったアボカドは、その影響を受けて大きなタネを持つものが生き残ってきました。さらに、海の生きものの共進化については、映像資料で紹介します。

生き残りをかけたびっくり進化「適応進化」
生き物が環境との関わりの中で少しずつ進化して手に入れた特徴について、めくりクイズを用いて解説します。また、適応進化のひとつに色や形を周囲に似せて身を守ったり獲物に近づいたりする「擬態」があります。体験展示「擬態のフシギ」では、絵の中に巧みに隠れている生きものを探してみましょう。

生きるための歯のフシギと偏食のフシギ
「歯を比べてみよう!」では、パネル・標本・模型を通して、草食・肉食・魚食の生きものの歯を恐竜(化石)と現生種で比較します。食べる物の違いによって歯の形や役割がどのように発達し受け継がれているのかを紹介します。さらに、人の歯と見比べることで、さまざまな歯の形を受け継いだ「雑食の歯」の特徴を見ていただきます。また「偏食のフシギ~なにを食べるかな?~」の体験展示では、同じ環境にいたにもかかわらず、進化の過程で特定の食べ物だけを選んで食べるようになった生きものを紹介します。

右:ライオンの歯 ©国立科学博物館
4章「人と進化のかかわり」
人の活動によって環境が変化し、その変化に適応して進化をしていく生きものもいます。たとえば、通常のカタバミは緑色ですが、都市では夏の高温などの影響を受け、より光合成しやすいよう葉が赤く変化した “褐色化したカタバミ” が観察できます。また、都市のスズメは田舎のスズメより鳴き声が高くなっており、それらを聞き比べていただきます。港区を含む都市という環境でごく短期間で進化した「都市進化」の姿に、ぜひ注目してみてください。
5章「進化を想像してみよう」
展示全体を通して進化への理解を深めたうえで、わたしたちが自然環境や生物とどのように向きあうべきかについて自ら考えていただきます。
進化を想像してみよう!
「人はテレパシーで会話できるように進化するかも?」「2メートルくらいの巨大猫が誕生するかも?」など、今回の企画展の展示を通して、来館者が想像するこれから先の進化についてカードに記入してもらい、館内に掲示します。来館者同士のさまざまな想像を共有することで、生き物がさまざまな環境とのかかわりの中で多様な進化を遂げてきたことや、これからの自然や生きものとの向き合い方について考えていただきます。
2025年12月29日(月)~2026年1月3日(土)、13日(火)、14日(水)、2月9日(月)
9:00~20:00(最終入館時間 19:30)
小学校高学年(4、5、6年生)
中学生・高校生
大人
港区立みなと科学館(東京都港区虎ノ門3-6-9)
・日比谷線「神谷町」駅4b出口より徒歩約5分
・日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅 A1・A2出口より徒歩約4分
・銀座線「虎ノ門」駅 2a出口より徒歩約10分
・南北線「六本木一丁目」駅 3番出口より徒歩約15分
入館料:無料
※プラネタリウムは有料(一般投影 1回分 大人:600円/小・中・高:100円)
・主催:港区立みなと科学館
・監修:地球科学可視化技術研究所 所長 芝原暁彦氏
・協力:国立科学博物館、JT生命誌研究館、東京都市大学 古生物学研究室、NPO法人Science and Art、鳥羽水族館、(公財)東京動物園協会、しながわ水族館、アクアマリンふくしま、東京海洋大学 マリンサイエンスミュージアム、RC GEAR(順不同、敬称略)
港区立みなと科学館 広報担当
(電話 9:00~20:00)
